現在最も普及しているメモリカードはSDカードになりますが、最新の上位モデルのカメラではCFExpressカードを採用している機種が発売されています。 今回はSDExpressカードとCFExpressカードついて解説します。
まずCFExpressとは、位置づけ的にはCF(コンパクトフラッシュ)カードの次々世代のメモリカードになります。CFカードの次世代カードにはCFastとXQDの2つがあったのですが、規格が分裂してしまい結局広まることがなかったため、統一のために整備された規格と言えます。
■CompactFlash Association
https://www.compactflash.org/

従来のメモリカードとの大きな違いはその転送速度です。最新のカメラで標準になりつつある8k動画や高解像度のRAW画像になると、どうしてもデータの容量が肥大化してしまい、書き込み速度が追い付かなくなってきました。そこで転送速度の大幅な向上の要求に応えて登場したのがCFExpressカードで、理論値で約2000MB/秒もの高速な転送に対応しています。
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一方SDカードの方は、既存のUHS-II規格では約312MB/秒とCFExpress とは6倍以上の差がついています。SDアソシエーションでもより高速な次世代のSDExpressについて規格の策定、および製品化を進められてきました。
■SD Association
https://www.sdcard.org/

SDExpressのSD8.0仕様ではCFExpressと同じく接続インタフェースにPCIe NVMeインタフェースを採用し、転送速度の最大値は理論値上で3940MB/秒、最大容量は128TBまで対応しています。 ただし、SDExpressはUHS-II(312MB/秒)との後方互換性がないため、SDExpress非対応の機種で使用する場合、転送速度はUSH-I(104MB/秒)の速度となってしまいます。また、UHS-IIの上位規格であるUHS-IIIは、UHS-IIとの後方互換性がありますが、転送速度の最大値は624MB/秒とCFExpressの1/3以下となっています。
 表:SDカードの転送速度
Table of SD card transfer speeds
上記のようにSDExpressのカードは、SDExpress対応の機種以外では現在普及しているUHS-IIタイプのSDカードより転送速度が遅くなってしまいます。その互換性の複雑さもあってか、SDExpress対応のデジタルカメラやビデオカメラはまだ発売されていませんが、SDExpressがこれからどの程度シェアを取り戻せるか楽しみです。
なお、弊社では従来のメモリカードに加えて、今回ご案内した最新世代のメモリカードからのデータ復旧にも対応しておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
■SDカードの復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/mc.html
■その他メディア(CF、QCDなど)の復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/other.html
■対応メディア
https://www.rescue-center.jp/media/