大容量のmicroSDカードなどでそれまで正常に使えていたのに、突然一部のデータが表示されなくなったという相談をいただくことあります。依頼をうけ調査をしたところ、見かけ上は128GBや256GBあるように見えても、実際に記録できる容量は16GBや32GBなどが上限になっており、それ以上は書き込みができない状態になっていました。
これはいわゆる容量偽装品で、16GBなどの容量の小さいメモリの容量表示の部分だけを改変して、128GBや256GBの大容量に見せかけている製品になります。安物のバッグをブランド品のように見せかけてちょっと安めの値段で売りつけるのと同じ手口です。
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■SDカードやUSBメモリの容量偽装について
こういった製品は、16GBや32GB書き込むところまでは正常に動作しますが、それ以上の書き込みをしても、ちょうど満杯のコップに水を注いでもあふれるだけのように、保存されない仕組みになっています。
そして一番大きな問題は、この状態が機械上はエラーとして認識されないことにあります。撮影中に空き容量が足りないなどのエラーが出れば、まだ対応のしようがありますが、撮影中は正常な反応を示すので、撮影ミスに気がつくのは手遅れのタイミングになります。
そして残念ながらデータの保存も実際にはされていないので、データ復旧でも対応はできません。

容量偽装品の傾向としては以下の点が挙げられます。
1.極端に値段が安い
相場では1万円、2万円を超えるものが数千円程度で販売されていることが多いようです。
2.規格や型番シリーズ名の表記が本来のものと異なっている
本来128GBや256GBのメモリカードだと規格上は「SDXC」となりますが、これが1ランク下の「SDHC」の表記になっていることがあります。また型番の一部に256などの容量を示した数字が入っている部分が32のままだったりすることもあります。
3.カード表面の印刷が不鮮明
カード表面の印字がぼやけていることや、メーカーやモデル名等の文字列が若干ズレた感じで印刷されているケースがあります。

ただし値段については広告目的等で採算度外視の値段にするケースもあるので、ただ安いというだけを理由に避けるのも難しいものです。また2,3についても、実際に手に取ってじっくりと確認しないとわかりませんが、偽装品が一般の店頭で取り扱われていることはまずありません。またここ最近の偽装品は「見た目の質」に関しては非常に向上しているため、外見の違いで見極めることも難しくなっています。
そのため購入時には、まずは偽装品が一般に出回っていることを念頭に置き、相場を確認したうえで、レビュー評価や直近の利用者のコメントの確認(これもサクラがいたりするので複数の確認が必須)、他に実店舗があるかなどそれ以外の情報も検証して、信頼のおける業者を選択することが重要と言えるでしょう。

なお容量偽装品ではなく本物のメモリカードやUSBメモリでも、同様の一部のデータの表示ができなくなるというトラブルもあります。また容量偽装品でも超過書き込みのタイミングで破損し、それまでのデータも含めてすべて表示されなくなるトラブルもあります。
一度でもカード内にデータが正常に保存できたデータであれば、復旧の可能性はございますのでお気軽にご相談ください。
■SDカード 復元事例
■USBメモリ 復元事例