データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

オンラインストレージ

国家のデータもクラウド化~オンラインストレージの活用~<後編>

前回の続きになります。ウクライナ政府は被害に備えて、AWS(AmazonWebService)社のサービスを利用し政府機関がもつ莫大なデータをクラウドストレージに移行しているというニュースを紹介しました。
AWSは世界中に複数のデータセンターを所有しているので、万が一どこかのサーバーが戦渦に巻き込まれても、即座にデータが失われてしまうような心配はありません。ちなみに、AWSのデータセンターは、日本国内にも東京リージョン、大阪リージョンの2箇所が存在しています。
■AWS、国内 2 拠点目となるリージョンを開設
企業や自治体で取り扱うデータ量は年々増え続けているので、今後もこのようなデータ保全のサービス需要は増加していくと思われます。ただし、個人で所有するデータに関しては、このように大規模なサービスを利用する機会は少ないでしょう。大事なデータを突然失わないためには、こまめなバックアップで管理するのがお勧めです。
■データ保護ノススメ
■データバックアップ入門
また「AWS Snowball」のような企業向けのクラウドサービス以外にも、個人向けのクラウドサービスも多数展開されています。
■クラウドストレージのメリットと注意点
だいたいどのサービスも共通するものとして、数GB程度以内の利用なら無料、それ以上利用する場合が有料という形ですが、すでに別のサービス(AmazonならAmazonプライムなど)を利用しているなら無料の範囲が広がるサービスもあるので、ついでに利用してみるのもおすすめになります。
■マイクロソフトのOneDrive
■グーグルのGoogleDrive
■アマゾンのAmazonDrive
またネットワークHDDを家庭内サーバーとして活用するケースも増えてきているようです。弊社ではネットワークHDDの復旧実績も多数あるので、万が一の際には一度ご相談下さい。
■データ復旧事例 > LinkStation(リンクステーション)
■データ復旧事例 > TeraStation(テラステーション)
■データ復旧事例 > LANDISK等その他NAS

国家のデータもクラウド化~オンラインストレージの活用~<前編>

2022年2月、ロシアのウクライナへの武力侵攻が始まりました。以降、現在も戦争状態が続いています。
日本ではなかなか実感のわかない方も多いかもしれませんが、戦時下ではデータの保全も大きな課題と言えます。金融機関や学校、省庁などは一般家庭とは異なり、膨大な量のデータを保持しており、さらに情報保護の面でも非常に高度なレベルが求められています。
もちろん、そういったところは大規模なサーバーを利用しているので、職員の手元のパソコンが故障、あるいは破壊されたとしてもサーバーのデータには影響はないことがほとんどです。
しかし戦時下となると話が変わってきます。どこがいつ攻撃されるかわからないので、突然サーバーごと破壊されて、重要なデータが失われてしまう危険性が高まります。
■サーバーってなに?
ウクライナ政府は、それまで政府や関係機関のデータは国内のサーバーに保存するよう法律で定めていたのですが、このようなリスクに備え法改正なども含めてデータのクラウド化を推進し、アメリカのAWS(AmazonWebService)社がそれに応じました。
しかし政府機関等が持つデータとなると10PB(ペタバイト)近くの膨大な量になるそうです。ここまで大容量のデータになりますと、空いている時間にアップロードするというわけにはいきません。仮に1PBのデータをネットワークで転送をするだけでも数か月はかかる計算になります。
■いまさら聞けないパソコン基礎知識 > データ容量について
そこでAWSの提供する「Snowball」というサービスを利用し、部分的にオフライン上でデータの転送をすることでクラウドストレージに移行しているそうです。
「AWS Snowball」とは、専用の記憶媒体を郵送し現地でデータを保存したうえで、媒体を返送し、AWSのサーバーにアップロードするというサービスです。今回のウクライナでは、2月から対応をはじめ、戦火の中すでに数PBのデータのクラウド移行に成功したそうです。
■AWS Snowball
AWS Snowballの概要図(AWSのホームページから)
AWS Snowball
次回に続きます。
アーカイブ