データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

データ復旧コラム

フォーマットと障害について

PCやデジカメなどで使用中の記録メディアに対して突然フォーマットが要求され、データにアクセスできなくなるケースがあります。フォーマットを実施すれば、記録メディアへのアクセスは可能になりますが、保存していたデータも消えてしまうので、データ復旧が希望ならフォーマットは厳禁です。
フォーマットとは記録メディアにデータが記録できるよう、初期化を行うことを指します。記録メディアに書籍で言うところの目次にあたる管理情報を書き込み、データを保存して管理できるようにする処置です。例えていうならば、田畑や住宅地などを造成しやすいように更地化する作業にあたります。
・ファイルシステムについて
・データ保存の仕組み
・ディレクトリ構造について
・マスターファイルテーブル(Master File Table・MFT)とは
・データの削除・フォーマットについて
何らかのトラブルによりこの管理情報が損傷を受けてしまうと、PC上で記録メディアがフォーマットされていないものと誤って認識してしまい、フォーマットが要求されることになります。目次の部分だけが壊れても本文は無事ということは珍しくありません。更地全体が荒地になるような損傷もありますが、ゴミがちょっと落ちている状態だけの時でも同様に破損しているという認識になるからです。
そのためフォーマットを要求される状態で何も手を付けずに調査の依頼をされるケースでは、比較的元のフォルダ構造を保ってきれいに復旧できるケースがよくあります。ただし破損の程度次第になることもあれば、フォーマットや修復などを実施したりすることで余計に悪化させてしまうケースもあり、どの程度の復旧が可能かはケースバイケースとなることもあります。
データが保存されているはずの記録メディアが突然フォーマットを要求されるということは、確実に記録メディアに異常が発生している状態です。場合によっては完全に痕跡を消してしまうこともありますので、安易にフォーマットは実施されずにまずは弊社までご相談ください。
・データ復旧事例
・復旧率を下げない為の10のルール

バックアップのススメ

パソコンが起動しなくなった、外付けHDDが認識しない、USBメモリからデータが消えたなどのお問合せはよくいただきます。こういったトラブルは、突然発生することが殆どなのでデータを守るためにはバックアップが一番の対策になります。
まずはOS標準のバックアップがおすすめです。Windowsの場合は「バックアップと復元」のメニューから、Macの場合は「Time Machine」を利用してみましょう。
■データバックアップ入門 > 自動バックアップ方法
どちらも、1度バックアップを取れば、スケジュールに沿った定期的なバックアップも容易なので、何も気にせずに無料で利用することが可能です。ただし設定によってはシステム丸ごとのバックアップになるので、ファイルやフォルダごとにこまかく設定したい、ディスク容量を節約したいなどの場合は、市販のバックアップソフトがおすすめになります。
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またバックアップ先のメディアとしては、外付けHDDやNASだけでなく、最近ではクラウドサービスにバックアップすることもおすすめになります。
■クラウドストレージのメリットと注意点
■リモートワークにまつわる「トラブル」と「データ復旧」
気を付けていただきたいのは、何らかの不具合などで、バックアップしたつもりになっていたが実は出来ていないケースです。パソコン本体が壊れてしまった時、あわててバックアップ先を確認したら、こちらも実は長らく動作していなかったなど、実はよくあるお問合せになります。バックアップ先の定期的な確認もバックアップの実施と同じくらい重要な項目になります。
■自動バックアップに潜むリスク
データレスキューセンターではバックアップ先のメディアが壊れたようなケースからの復旧にも多数の対応実績がございます。お困りの際はお気軽にお問い合わせください。
■外付けHDDが認識しない原因と対処方法
■NAS(LinkStation/TeraStation)にアクセスできない、つながらない原因と対処方法
■データ復旧事例
■データ保護ノススメ

国家のデータもクラウド化~オンラインストレージの活用~<後編>

前回の続きになります。ウクライナ政府は被害に備えて、AWS(AmazonWebService)社のサービスを利用し政府機関がもつ莫大なデータをクラウドストレージに移行しているというニュースを紹介しました。
AWSは世界中に複数のデータセンターを所有しているので、万が一どこかのサーバーが戦渦に巻き込まれても、即座にデータが失われてしまうような心配はありません。ちなみに、AWSのデータセンターは、日本国内にも東京リージョン、大阪リージョンの2箇所が存在しています。
■AWS、国内 2 拠点目となるリージョンを開設
企業や自治体で取り扱うデータ量は年々増え続けているので、今後もこのようなデータ保全のサービス需要は増加していくと思われます。ただし、個人で所有するデータに関しては、このように大規模なサービスを利用する機会は少ないでしょう。大事なデータを突然失わないためには、こまめなバックアップで管理するのがお勧めです。
■データ保護ノススメ
■データバックアップ入門
また「AWS Snowball」のような企業向けのクラウドサービス以外にも、個人向けのクラウドサービスも多数展開されています。
■クラウドストレージのメリットと注意点
だいたいどのサービスも共通するものとして、数GB程度以内の利用なら無料、それ以上利用する場合が有料という形ですが、すでに別のサービス(AmazonならAmazonプライムなど)を利用しているなら無料の範囲が広がるサービスもあるので、ついでに利用してみるのもおすすめになります。
■マイクロソフトのOneDrive
■グーグルのGoogleDrive
■アマゾンのAmazonDrive
またネットワークHDDを家庭内サーバーとして活用するケースも増えてきているようです。弊社ではネットワークHDDの復旧実績も多数あるので、万が一の際には一度ご相談下さい。
■データ復旧事例 > LinkStation(リンクステーション)
■データ復旧事例 > TeraStation(テラステーション)
■データ復旧事例 > LANDISK等その他NAS

国家のデータもクラウド化~オンラインストレージの活用~<前編>

2022年2月、ロシアのウクライナへの武力侵攻が始まりました。以降、現在も戦争状態が続いています。
日本ではなかなか実感のわかない方も多いかもしれませんが、戦時下ではデータの保全も大きな課題と言えます。金融機関や学校、省庁などは一般家庭とは異なり、膨大な量のデータを保持しており、さらに情報保護の面でも非常に高度なレベルが求められています。
もちろん、そういったところは大規模なサーバーを利用しているので、職員の手元のパソコンが故障、あるいは破壊されたとしてもサーバーのデータには影響はないことがほとんどです。
しかし戦時下となると話が変わってきます。どこがいつ攻撃されるかわからないので、突然サーバーごと破壊されて、重要なデータが失われてしまう危険性が高まります。
■サーバーってなに?
ウクライナ政府は、それまで政府や関係機関のデータは国内のサーバーに保存するよう法律で定めていたのですが、このようなリスクに備え法改正なども含めてデータのクラウド化を推進し、アメリカのAWS(AmazonWebService)社がそれに応じました。
しかし政府機関等が持つデータとなると10PB(ペタバイト)近くの膨大な量になるそうです。ここまで大容量のデータになりますと、空いている時間にアップロードするというわけにはいきません。仮に1PBのデータをネットワークで転送をするだけでも数か月はかかる計算になります。
■いまさら聞けないパソコン基礎知識 > データ容量について
そこでAWSの提供する「Snowball」というサービスを利用し、部分的にオフライン上でデータの転送をすることでクラウドストレージに移行しているそうです。
「AWS Snowball」とは、専用の記憶媒体を郵送し現地でデータを保存したうえで、媒体を返送し、AWSのサーバーにアップロードするというサービスです。今回のウクライナでは、2月から対応をはじめ、戦火の中すでに数PBのデータのクラウド移行に成功したそうです。
■AWS Snowball
AWS Snowballの概要図(AWSのホームページから)
AWS Snowball
次回に続きます。

SDExpressとCFExpress

現在最も普及しているメモリカードはSDカードになりますが、最新の上位モデルのカメラではCFExpressカードを採用している機種が発売されています。 今回はSDExpressカードとCFExpressカードついて解説します。
まずCFExpressとは、位置づけ的にはCF(コンパクトフラッシュ)カードの次々世代のメモリカードになります。CFカードの次世代カードにはCFastとXQDの2つがあったのですが、規格が分裂してしまい結局広まることがなかったため、統一のために整備された規格と言えます。
■CompactFlash Association
https://www.compactflash.org/

従来のメモリカードとの大きな違いはその転送速度です。最新のカメラで標準になりつつある8k動画や高解像度のRAW画像になると、どうしてもデータの容量が肥大化してしまい、書き込み速度が追い付かなくなってきました。そこで転送速度の大幅な向上の要求に応えて登場したのがCFExpressカードで、理論値で約2000MB/秒もの高速な転送に対応しています。
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一方SDカードの方は、既存のUHS-II規格では約312MB/秒とCFExpress とは6倍以上の差がついています。SDアソシエーションでもより高速な次世代のSDExpressについて規格の策定、および製品化を進められてきました。
■SD Association
https://www.sdcard.org/

SDExpressのSD8.0仕様ではCFExpressと同じく接続インタフェースにPCIe NVMeインタフェースを採用し、転送速度の最大値は理論値上で3940MB/秒、最大容量は128TBまで対応しています。 ただし、SDExpressはUHS-II(312MB/秒)との後方互換性がないため、SDExpress非対応の機種で使用する場合、転送速度はUSH-I(104MB/秒)の速度となってしまいます。また、UHS-IIの上位規格であるUHS-IIIは、UHS-IIとの後方互換性がありますが、転送速度の最大値は624MB/秒とCFExpressの1/3以下となっています。
 表:SDカードの転送速度
Table of SD card transfer speeds
上記のようにSDExpressのカードは、SDExpress対応の機種以外では現在普及しているUHS-IIタイプのSDカードより転送速度が遅くなってしまいます。その互換性の複雑さもあってか、SDExpress対応のデジタルカメラやビデオカメラはまだ発売されていませんが、SDExpressがこれからどの程度シェアを取り戻せるか楽しみです。
なお、弊社では従来のメモリカードに加えて、今回ご案内した最新世代のメモリカードからのデータ復旧にも対応しておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
■SDカードの復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/mc.html
■その他メディア(CF、QCDなど)の復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/other.html
■対応メディア
https://www.rescue-center.jp/media/