データ保存用のテープメディアについては、読み書きが遅い、ランダムアクセスができない、トラブルが多く利用にも手間がかかるなどのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし現在テープメディアはハードディスクと比較して、コストや利便性、そして信頼性においても、非常に評価があがっている記録メディアになっています。
■テープメディア(磁気テープ)へのバックアップについて
LTO
その理由について磁気テープ(LTOテープ)とハードディスク(HDD)の比較を行いながら解説します。
1.大きさ
・LTOテープ:105mm×102mm×21mm
・ハードディスク(3.5inch):146mm×102mm ×25mm
テープの方が僅かに小さくなります。しかし大量のバックアップを前提にすると、体積によるデータ容量比という試算ではテープが大きく上回ることになります。
2.消費電力/コスト
テープの電力消費はデータの読み書き時のみで、アイドル時は殆ど電力消費がありません。一方、ハードディスクはアイドル時でも5-10Wほど消費するので、長期保管時には大きな差が生まれます。
テープを扱うシステムは一つ一つのハードが高コストのため、導入初期のコストはテープの方がかかります。但し増設の際に、テープはカートリッジを追加するだけで、且つそれによる電力消費も特には上がらないため、ランニングコストが圧倒的に安価に済みます。
3.転送速度
・テープ:LTO-8の場合、非圧縮時において300MB/s、圧縮時で750MB/s
・HDD:転送速度は150~250MB/s程度
単純な転送速度ではテープの方が速いとは言えますが、ただしランダムアクセスの転送になるとテープの方が不利になります。バックアップのような書き込みだけであれば不足はないですが、日常使いのような読み書きが頻繁にあるケースではHDDの方が優位になります。
4.エラーの発生確率
エラーの確率についてはそれ以外の要素も大きいので、比較するのは難しいですが、単純なビット誤り率(bit error rate)だけで計測するなら、テープのエラー発生率はHDDに比較して1/10000程度とされています。

テープは頻繁にアクセスすることはないデータ、世代ごとのバックアップデータの保管に向いており、HDDは頻繁にアクセスするデータ保管に向いているとされています。
テープの長所を利用して、今後のデータのバックアップや過去のデータの利用などをお考えの場合、データレスキューセンターでは、カタログの作成、データの集約などの対応が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
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