日頃パソコンやデジカメ、スマートフォンを使用していると、様々なエラーメッセージに出くわすことがあります。
例えばファイルを保存しようとして名前が長すぎたり、使用できない文字を含めたりした場合のエラーメッセージです。注意を伝えるだけのような場合はデータ自体に影響を及ぼすことはないのですが、中には作業を促すメッセージもあり、安易に指示に従ってしまうと、より悪化させてしまうケースがあります。
ここでは対応に注意すべきエラーメッセージについて、代表的な例をご紹介します。

・「フォーマットしますか?」
データにまつわるエラーメッセージとしては比較的ポピュラーなものです。記録メディア内の構造情報(書籍でいう目次にあたるもの)が損傷を受けフォルダ・ファイルが一切認識できないため、利用するには初期化(フォーマット)が必要と判断された状態となります。
指示に従いフォーマットを行うと、記録メディアへのアクセスは可能になりますが、メディア内に保存されていたデータは消えてしまいます。
このようなケースでも、ひと昔前のフォーマットであればデータは消えているように見えても、実はデータの痕跡は残っていて、それをたどることによりデータを復旧させることが可能でした。
■データの削除・フォーマットについて

しかしながら、最近ではデータの痕跡を完全に抹消してしまうタイプのフォーマットがされる機種が増えてきています。とりわけスマートフォン(Android)や一部のデジカメやビデオカメラでは完全フォーマットがされることが多いようです。
重要なデータが保存されていた場合は、安易にフォーマットはしないよう注意しましょう。
■データを完全削除する方法
https://www.rescue-center.jp/elementary/vol04.html

・「スキャンして修復しますか?」
こちらもWindowsパソコンではしばしば見かけるエラーメッセージです。Windowsにはチェックディスクといって、記録メディアのファイルシステムに異常がないかを確認し、エラーを自動で修復する機能があります。
■チェックディスク
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この機能の問題点は、あくまでファイルシステム自体を検査・修復するものであり、データを回復することを第一としていない点です。
そのためチェックディスクを実施すると、メディアにアクセスはできるようになっても、一部のファイルが無くなってしまったり、フォルダが丸ごと破損して開けなくなったり、よりひどい場合はプロパティ上ではデータの使用量の表示があるにも関わらず、ファイルがすべて見当たらなくなってしまうことがあります。

このような状況からでもデータの復旧ができる可能性は十分にありますが、構造情報が上書きされてしまうため、復旧はできても元のファイル名やフォルダ名が部分的に失われてしまうケースがあります。また特に空き容量が少ない状態でのチェックディスクは、広い範囲で上書きされてしまうため復旧が難しくなるケースもあります。

安易に指示に従ってしまうと、データ復旧をより困難にしてしまうケースもあるので、異常を示すエラーメッセージが表示された場合は、まずデータのバックアップを試みて、コピーができない状態のようなら、弊社データレスキューセンターにまでご相談ください。

■データの復旧率を下げない為の10のルール
■よくあるトラブル事例
■データ復旧が困難な障害・メディア