弊社にご相談いただく中に、「保存していたデータがなくなって、回復という名前になった」という事例があります。
これは誤ってデータ保存用のメディアに対して「回復ドライブ」を実施してしまった際に起きる現象です。
■初心者窓口 > データ復旧用語集 > 回復ドライブ

「回復ドライブ」とは使用しているPCが不具合を起こし起動できなくなったような場合に、Windowsを再インストールし、起動ができるようにするために使う補助ツールの総称です。
もしもの際に備えて事前に作成しておくもので、16GBバイト以上のUSBメモリを使用します。
■回復ドライブを作成する(Microsoftサポート)

不具合により正常に起動しなくなったWindowsに代わり、この回復ドライブがインストールされたUSBメモリからPCを起動することで、診断を行ったり初期化を行ったりすることが可能となります。
なお、この回復ドライブの機能ではユーザーデータは回復されません。Windowsを動かすために必要な最低限の機能しか持たないため、ユーザーデータは別途バックアップしておく必要があります。
■データバックアップ入門 > 自動バックアップ方法

いざという時に役に立つ回復ドライブですが、この回復ドライブに使用するメディアは空っぽのUSBメモリを使うようにと警告がされています。
回復ドライブを作成する際は、保存されているデータをすべて抹消したうえで回復ドライブ用のツールを書き込みします。ご相談いただく事例のように、通常のデータ保存用に使用していたUSBメモリを使うと、データがすべて消え、新たに回復ドライブのデータが書き込まれた状態になってしまうのです。

もちろん、このような場合も弊社ではデータを取り戻せる可能性はあります。ただし、データの上書きが発生している場合が多く、復旧が困難になる場合もあるので注意が必要です。
■データ復旧が困難な障害・メディアmain_konnnann
■上書きによるデータ消失について

回復ドライブに限らず、見慣れないメッセージが出てきた際に、よくわからないまま「次へ」をクリックし続けてしまうと、予期せぬ事態になってしまう可能性があるので十分注意しましょう。
また、日ごろからデータのバックアップを取るよう心がけ、不測の事態に備えましょう。バックアップの手法に関しては弊社ホームページでもご案内しておりますのでご参照ください。
回復ドライブになってしまってデータが消えた場合でも、データが取り戻せる可能性は十分あります。まずは焦らず、データレスキューセンターにご相談ください。

■データ消失を回避する方法
■データ復旧事例 > USBメモリ
■データ復旧事例 > ハードディスク(HDD)