データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2022年06月

メモリカードの容量偽装

大容量のmicroSDカードなどでそれまで正常に使えていたのに、突然一部のデータが表示されなくなったという相談をいただくことあります。依頼をうけ調査をしたところ、見かけ上は128GBや256GBあるように見えても、実際に記録できる容量は16GBや32GBなどが上限になっており、それ以上は書き込みができない状態になっていました。
これはいわゆる容量偽装品で、16GBなどの容量の小さいメモリの容量表示の部分だけを改変して、128GBや256GBの大容量に見せかけている製品になります。安物のバッグをブランド品のように見せかけてちょっと安めの値段で売りつけるのと同じ手口です。
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■SDカードやUSBメモリの容量偽装について
こういった製品は、16GBや32GB書き込むところまでは正常に動作しますが、それ以上の書き込みをしても、ちょうど満杯のコップに水を注いでもあふれるだけのように、保存されない仕組みになっています。
そして一番大きな問題は、この状態が機械上はエラーとして認識されないことにあります。撮影中に空き容量が足りないなどのエラーが出れば、まだ対応のしようがありますが、撮影中は正常な反応を示すので、撮影ミスに気がつくのは手遅れのタイミングになります。
そして残念ながらデータの保存も実際にはされていないので、データ復旧でも対応はできません。

容量偽装品の傾向としては以下の点が挙げられます。
1.極端に値段が安い
相場では1万円、2万円を超えるものが数千円程度で販売されていることが多いようです。
2.規格や型番シリーズ名の表記が本来のものと異なっている
本来128GBや256GBのメモリカードだと規格上は「SDXC」となりますが、これが1ランク下の「SDHC」の表記になっていることがあります。また型番の一部に256などの容量を示した数字が入っている部分が32のままだったりすることもあります。
3.カード表面の印刷が不鮮明
カード表面の印字がぼやけていることや、メーカーやモデル名等の文字列が若干ズレた感じで印刷されているケースがあります。

ただし値段については広告目的等で採算度外視の値段にするケースもあるので、ただ安いというだけを理由に避けるのも難しいものです。また2,3についても、実際に手に取ってじっくりと確認しないとわかりませんが、偽装品が一般の店頭で取り扱われていることはまずありません。またここ最近の偽装品は「見た目の質」に関しては非常に向上しているため、外見の違いで見極めることも難しくなっています。
そのため購入時には、まずは偽装品が一般に出回っていることを念頭に置き、相場を確認したうえで、レビュー評価や直近の利用者のコメントの確認(これもサクラがいたりするので複数の確認が必須)、他に実店舗があるかなどそれ以外の情報も検証して、信頼のおける業者を選択することが重要と言えるでしょう。

なお容量偽装品ではなく本物のメモリカードやUSBメモリでも、同様の一部のデータの表示ができなくなるというトラブルもあります。また容量偽装品でも超過書き込みのタイミングで破損し、それまでのデータも含めてすべて表示されなくなるトラブルもあります。
一度でもカード内にデータが正常に保存できたデータであれば、復旧の可能性はございますのでお気軽にご相談ください。
■SDカード 復元事例
■USBメモリ 復元事例

「USB OTG(USB On-The-Go)について」を掲載しました

いまさら聞けないパソコン基礎知識に「USB OTG(USB On-The-Go)について」を掲載しました。
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https://www.rescue-center.jp/elementary/vol71.html

ノートパソコンは電源を繋いだままでも良いのでしょうか

ノートパソコンは電源を繋いだまま使っていても良いのかどうか。時々相談されることがあります。
ひと昔前のバッテリーでは、繋ぎっぱなしで使い続けると過充電になり良くないとされていました。しかし最近のバッテリーは機構的に対策が十分にとられているので、フル状態で長期間放置していない限り悪影響はないとされています。あるいはその逆の完全放電についても、昔のバッテリーならたまに完全に放電した上で充電しなおすのが良いとされていましたが、最近の主流であるリチウムイオン電池の場合は逆に完全放電は避けた方が良いとされています。ただしこれも同様に長時間放置しない限りはそれ程の影響はでません。
ということであれば、最近のバッテリーであれば繋げたままでも構わないと言えそうに思えるのですが…単純にそうとは言い切れないようです。
■「リチウムイオン電池」について
http://blog.rescue-center.jp/archives/20539340.html
まずリチウムイオン電池はその特性上、非常に不安定です。極端に言うと、工場を出荷した瞬間から劣化が始まっています。充電回数にも限界がありますし、充電の際に電圧を上げすぎるとその分劣化が進行します。また熱にも弱く、30度以上の環境に放置しているだけでどんどん劣化していきますが、特にフル充電の状態で高温になると、劣化が一気に加速するので注意が必要です。つまりパソコンが高温になりやすい負荷のかかるような作業をするときは、フル充電状態ではない方がお勧めになるということです。

また充電の仕組み上、セル当たりにかけるボルト数は充電率に比例するようになっています。充電率90~100%を常に維持するというのは、少し消耗を早めてしまう使い方と言えます。計算上の理屈では充電率は60~70%ぐらいを維持するのが良いそうですが、そこまで細かい幅を実現しようとすると、数値を見ながら細かく電源を抜いたり挿したりと、道具を使っているのか道具に使われているのか、わからなくなってしまいそうです。
ストレスをためない程度の使い方としては20~80%をキープするぐらいで、電源をたまに抜き差しするという程度の感覚で付き合うのがよさそうです。例えば通勤電車の中ではバッテリーで使用し、オフィス内では充電しながら使うぐらいが理想的ではないでしょうか。battery_mark2

使い込まれたバッテリーは残量表示もズレやすくなります。残り20%の表示だったのに突然電源が落ちるなどの現象が起きることもあります。データの保存や閲覧をしている途中で急にバッテリーが切れてシャットダウンしたりすると、データが壊れてしまうこともよくあります。そういった場合は弊社のデータ復旧サービスをご利用ください。
■PC/HDDのデータ復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/hdd.html
■バッテリーの寿命はどれくらい?
http://blog.rescue-center.jp/archives/15564648.html

お客さまの声を更新 セメダイン株式会社様

お客さまの声に、SanDisk製SSD(128GB)のデータ復旧をご依頼いただきましたセメダイン株式会社様の情報を掲載しました。
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