データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2022年05月

SSDの寿命の指標「TBW」とは

SSDの寿命を表す指標として、TBW(Terabytes Written=テラバイト書き込み)という値があります。これはトータルでSSDに書き込んだデータ量の総計のことです。
NANDフラッシュメモリの特性上、書き換え回数には上限がありますが、書き換えが無駄に増えないよう工夫が施されているため、使っているうちに何回書き換えが発生しているかはユーザー側には分からないようになっています。そのため寿命の指標としてTBWが示されるようになりました。
例えば、WesternDigital製のSSDでは、最大で600TBWと提示されています。
■WD Blue™ SATA Internal SSD Hard Drive 2.5
この場合、トータル600TBの書込みまでは可能という意味になります。仮に一日100GBの書込みを毎日行っても6,000日かかるという計算になりますが、これは誤解を受けやすい表現なので注意が必要です。
JEDECによって定められたTBWの算出基準は、OSがインストールされた起動ドライブとして、オフィスや家庭での一般的な利用を前提としています。そのためファイルサーバーのような24時間の連続稼働や、毎日のように大容量のデータが書き込みされるというような使い方をする場合の参考値ではありません。
■JEDEC
実際のところ、家庭内での一般的な使い方で600TBも書き込みをするには数十年はかかることでしょう。TBWの上限を迎える前に、データチップ以外の部分が経年劣化などで故障して、読み出しが出来なくなることが考えられます。
■最新のフラッシュメモリ(USBメモリ、SDカード、SSDなど)について
TBWは耐久性としてある程度の指標にはなりますが、上記のとおり購入の際にはそこまで気にする数字ではありません。ただ原則的には使えば使うほどどんどん消耗していくというのは確かですし、またSSDは空き容量が少ない状態で書き込みを繰り返すのも良くないとされています。そのためある程度使いこんで空き容量が少なくなってきたら買い替えの目安とも言えます。
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弊社では劣化により正常な動作をしなくなったSSDやUSBメモリ、認識しなくなったSSDなどからのデータ復旧は多数対応しております。何かございましたら、お気軽にご相談ください。
■メディア解説 > SSDの構造と動作
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お客さまの声を更新 味の素株式会社様

お客さまの声に、ノートPC内蔵SSD(256GB)のデータ復旧をご依頼いただきました味の素株式会社様の情報を掲載しました。
味の素株式会社様

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記録メディアの交換タイミング

SDカードやUSBメモリなどの記録メディアは、一見すると半永久的に使用できるように見えますが、一般的な電化製品と同様に消耗品です。しかし記録メディアの場合、電球や電池のように完全に使い切った上で新しい製品に取り換えるというわけにはいきません。壊れる前に交換をしておきたいものです。

例えば自動車のタイヤでは一般的に使用開始から3年以上、もしくは3万キロ以上の走行というのが交換目安とされていますが、それ以上に、目に見えて擦り減ってきますので、ガソリンを入れる時等に交換のアドバイスをもらうこともあるでしょう。
フラッシュメモリも実は仕組み的にはタイヤと同様に擦り減る感じで消耗はしていくのですが、あくまでも電子的な話なので目でみてわかるものではありません。
■最新のフラッシュメモリ(USBメモリ、SDカード、SSDなど)について
またこういったフラッシュメモリの特性上の寿命については、実際の製品としての寿命よりは非常に長く、経験測上からの製品寿命となると数年程度とされており、1~3年ぐらいから故障率があがっていくと言われています。
そのため交換の目安をルールとして作っておくことがお勧めになります。
computer_usb_memory
1.容量がいっぱいになったとき
これが一番わかりやすいタイミングでしょう。不要なデータを削除、整理しなおしてギリギリまで使いきるのではなく、いっぱいになったらその時点でバックアップをとってサイズの大きい製品に買い替えましょう。

2.時間で決める
使用頻度に応じて1年~2年置きに買い替えるスケジュールを作っておくのもおすすめです。バックアップ用途で頻繁に使うものでもないということなら期間はもう少し長めでもいいでしょう。

3.エラーが発生したり修復を促されたりしたとき
Windowsマシンでよくみられる、PCに記録メディアを接続した際に「チェックディスク」などの修復を促されるケースがあります。特に致命的なトラブルでないことが大半ですが、まれにデータが丸ごと消失することもあるので対応には注意が必要です。
■チェックディスク
偶々のエラーなのか前兆的な意味でのトラブルなのかをその時点で判断することは非常に困難です。そのため少しでも動作に不安を感じるようなことが発生したら、念のために交換しておくというのもお勧めになります。

以上はいわゆる「予防交換」という性質が強いものになりますが、備えを十分に行ったとしても、データ損失のリスクを完全に排除することは難しいです。
メモリの破損やデータの損失などのトラブルが発生した際は、データレスキューセンターにお気軽にご相談ください。

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■データ消失を回避する方法

お客さまの声を更新 近畿大学教授 古南博様

お客さまの声に、SDカードのフォーマットエラーからの復元作業をご依頼いただきました近畿大学教授古南博様の情報を掲載しました。
近畿大学教授古南博様
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