SSDの寿命を表す指標として、TBW(Terabytes Written=テラバイト書き込み)という値があります。これはトータルでSSDに書き込んだデータ量の総計のことです。
NANDフラッシュメモリの特性上、書き換え回数には上限がありますが、書き換えが無駄に増えないよう工夫が施されているため、使っているうちに何回書き換えが発生しているかはユーザー側には分からないようになっています。そのため寿命の指標としてTBWが示されるようになりました。
例えば、WesternDigital製のSSDでは、最大で600TBWと提示されています。
■WD Blue™ SATA Internal SSD Hard Drive 2.5
この場合、トータル600TBの書込みまでは可能という意味になります。仮に一日100GBの書込みを毎日行っても6,000日かかるという計算になりますが、これは誤解を受けやすい表現なので注意が必要です。
JEDECによって定められたTBWの算出基準は、OSがインストールされた起動ドライブとして、オフィスや家庭での一般的な利用を前提としています。そのためファイルサーバーのような24時間の連続稼働や、毎日のように大容量のデータが書き込みされるというような使い方をする場合の参考値ではありません。
■JEDEC
実際のところ、家庭内での一般的な使い方で600TBも書き込みをするには数十年はかかることでしょう。TBWの上限を迎える前に、データチップ以外の部分が経年劣化などで故障して、読み出しが出来なくなることが考えられます。
■最新のフラッシュメモリ(USBメモリ、SDカード、SSDなど)について
TBWは耐久性としてある程度の指標にはなりますが、上記のとおり購入の際にはそこまで気にする数字ではありません。ただ原則的には使えば使うほどどんどん消耗していくというのは確かですし、またSSDは空き容量が少ない状態で書き込みを繰り返すのも良くないとされています。そのためある程度使いこんで空き容量が少なくなってきたら買い替えの目安とも言えます。
■メディア解説 > SSDの構造と動作
■SSD データ復旧事例
■SDカード 復元事例
■USBメモリ 復元事例