データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2020年10月

Seagateから18TBのHDD発売へ

1年ほど前にWesternDigitalから容量が18TBと20TBのHDDが発表され、2020年に量産開始されるとの記事を記載しました。
■20TBのHDD発売へ

その後2020年7月にWesternDigitalから16TB、18TBのHDDが出荷され始め、20TBのHDDについても数か月以内に製造が開始されるとアナウンスされています。
HDDの2大メーカーのもう一つであるSeagateからも9月に18TBのHDDが出荷されだしました。
デスクトップPCに内蔵されるストレージの搭載率として、2019年にはSSDがHDDを抜きトップになりましたが、外部記憶装置としては、容量やコストの面からHDDのほうがまだ優位性を保っています。

SSDに関しては2020年7月にSamsungから、8TBのSSDが発売開始されました。こちらは実売価格で10万円を切る価格となっており、大容量化、低コスト化が進んではいますが、HDDに比べると、まだまだ高価格だといえます。
また、2025年までには、HDDは容量50TBに到達するとの情報もでており、システムドライブにはSSDを、データ保存用にはHDDを選択する構成がしばらく続くことが予想されます。

弊社にデータ復旧をご依頼されるHDDの容量も年々増加傾向にあります。HDDの大容量化に伴い、故障した際のデータ消失のリストも大きくなります。大事なデータが失われないよう、日頃からバックアップをとるように心がけてください。
もちろん常日頃から気を付けていても、誤ってデータを削除したり、HDDを倒して故障させてしまったり、突然の災害で記録媒体が水没してしまうなどでデータ復旧が必要になる可能性はございます。
弊社では、そういった障害が発生した媒体からデータ復旧を行っておりますので、お困りの際は、ぜひ弊社までご相談ください。

■HDDについて
■HDDの復旧事例
■HDDの異音
■水没したHDD復旧からの復旧事例
■HDDの大容量化技術について
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Windowsで許可されていない特殊な文字の取り扱い方

Windowsにはファイル名やフォルダ名に使うことができない特殊な文字や記号が幾つもあります。
Naming Files, Paths, and Namespaces (Windows)
こちらはWindows上での命名規則についてのルールをまとめたページで、様々な禁止事項を説明しています。
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簡単にまとめると
・NTFS上では / ? < > \ : * | " が禁止されており、
・FAT上ではさらに キャレット記号( ^ ) も禁止されます。
・次の文字列がWindows上でシステム予約語に指定されているためファイル・ディレクトリ名には使用できません。com1, com2, com3, com4, com5, com6, com7, com8, com9, lpt1, lpt2, lpt3, lpt4, lpt5, lpt6, lpt7, lpt8, lpt9, con, nul, and prn
Windows上でこれらを作成しようとしてもエラーが出て失敗するようになっています。

また「Do not end a file or directory name with a space or a period. 」(訳:ファイル名またはディレクトリ名をスペースまたはピリオドで終了しないでください)という制限もあります。具体的には「ファイル名.」(※末尾が半角ピリオド)や「ディレクトリ名 」(※末尾が半角スペース)が禁止となっています。例えばWindowsで「ワシントンD.C.」とディレクトリを作成しても、入力完了時には「ワシントンD.C」となります。
これらはWindowsで当初使用されていたFATファイルシステムの制限によるものが由来となっているのですが、Windows上では生成の途中で無視するような処理が強制的に働くようになっており、作りたくても作れないようになっています。

なおMacでは末尾ドットや半角スペースのファイル・ディレクトリも作成が可能です。ただしMacで作成した末尾ドットファイルをWindowsにコピーしても、Windows上では末尾の特殊文字が別の文字に置き換えられるようになっています。末尾の特殊文字は別の文字コードに変換するなど、こっそりとルールのすり合わせが行われており、ルールが異なるOS同士でも破綻しないよう工夫されているわけです。
■WindowsとMac間でのデータのやり取り
■文字化けについて

しかしデータ復旧の場においては、必ずしもこの工夫が働くわけではありません。復旧の際に、特殊な方法でデータの書き出しを行うと、Windows上でも末尾にドットや半角スペースのファイルやディレクトリを生成してしまうことがあります。
本来作成できないものを裏技的に作成してしまうと、Windows上では無視される文字列が含まれているため、削除やリネームもできないファイル・ディレクトリがそこに出来てしまい、非常に困ったことになります。

対処方法としては、禁止文字を無視する処理を敢えて動作させないプレフィックスというパス形式がWindowsには用意されているのでそれを利用します。
例えば通常はメモ帳へのパスは次のように表現されますが
C:\Windows\notepad.exe
プレフィックス形式では次のようになります。
\\?\C:\Windows\notepad.exe

この「\\?\」のプレフィックス形式を使用すれば、末尾にドットや半角スペースがついたファイル・ディレクトリでも扱うことができます。
もしデスクトップ上に「filename.」というファイルを作成してしまった場合、それを削除するには下記のコマンドになります。
del \\?\C:\Users\username\Desktop\filename.

■ディレクトリ構造について

データ復旧に限らず、アプリケーションのトラブルなどにより、末尾違反のフォルダ・ディレクトリが作成されてしまった場合には参考にしてください。

■データ復旧事例
アーカイブ