データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2020年08月

記憶メディアの選び方

現在では様々な記録メディアが市場に出回っていますが、使われ方にはそれぞれ向き不向きがあります。それぞれの特徴、メリットとデメリットを簡単にまとめしたので、メディア選びの参考にしてください。

・ハードディスク系(パソコン、外付けHDD、NASなど)
長年大量に利用されているため、信頼度が高く、容量比でのコストが非常に安いというのが大きなメリットです。
読み書きの速度についてはここ数年でSSDなどと比較すると少し遅いと指摘されることもでてきました。広く活用されている割には実は耐用年数はかなり低く、3~5年程度とされています。磁気や振動、熱など弱点も多数あり、その特性上、持ち運びも難しくなります。

大容量のデータの保存に向いていますが、長期保存には向いていません。長期保存の際には、バックアップをどのようにとるかをしっかり考えておく必要があります。
■外付けHDDが認識しない原因と対処方法
■外付けHDDについて
■データバックアップ入門
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・光ディスク系(CD、DVD、Blu-rayなど)
一般の光ディスクだと10年や20年単位の寿命とされていますが、記録層が紫外線などに非常に弱いため、保管状態が悪いと一週間も持たないということもあります。
そのため記録層を特に強化した長期保存用光ディスク「M-DISC」が製品化されています。
■長期保存に適した記録メディア

ただし光ディスク系は全般的に読み書き速度が非常に遅く、また書き換えも結構手間がかかります。使用の際に専用のドライブが必要なこともあり、利便性は高くはありません。
よって長期保存向けのメディアとなりますが、保管方法には十分に気を付ける必要があります。
■経年劣化でCDやDVDが読めなくなる
■光学メディアについて
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・フラッシュメモリ系(USBメモリ、SDカード、microSD、SSDなど)
パソコンや携帯機器などで簡単に接続でき、利便性が高く、振動にも強いため、持ち運びがしやすいです。
ただしある一定の容量を超えるとコストが非常に割高になります。製品寿命としては5~10年程度、長期保存にも向いていません。

以上のことから、ちょっとしたデータの一時保存用に向いています。一時的に保存したデータをハードディスクや光ディスクにバックアップとして移して、常にデータを二重三重に別々に分けて保存しておくのがお勧めの使い方となるでしょう。
■USBメモリが認識しない原因と解決方法
■SDカード/microSDカードが認識しない原因と確認ポイント
■SSDが認識しない原因と対処方法

どのような記録メディアも工業製品である以上、突然何の前触れもなくトラブルに見舞われるリスクを完全に避けることは困難といえます。
日ごろからメディアの取り扱いやバックアップに留意するのはもちろんではありますが、それでもトラブルは突如発生します。お困りの際は、お気軽にご相談ください。

■データ復旧事例
■メディア解説
■データ保護ノススメ

上書きによるデータ消失についてを掲載しました。

いまさら聞けないパソコン基礎知識に「上書きによるデータ消失について」を掲載しました。

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いまさら聞けないパソコン基礎知識

水没メディアからのデータ復旧

近年、「何十年に一度」、「観測史上初」と表現される大雨が毎年のように降り、そのたびに大きな水害が発生しています。

家屋の一部が完全に水没すると、パソコンや外付けハードディスクも水没してしまうことがあります。そういった場合、ハードディスクの内部にも浸水している可能性が高くなりますが、水没品の取り扱いは一般的な障害とは異なる点がありますのでご注意ください。


まず第一に水没品は乾燥をさせないことが重要です。油やミネラル分などの様々な不純物が溶け込んだ水に浸かってしまうと、乾燥後にそれらがプラッターに付着した状態のままこびりついてしまいます。

これが水没品のディスクのデータ復旧の難度を上げる大きな要因となります。

そのため、水没したハードディスクは、乾燥を防ぐために濡れタオルで包んだうえで、タオルごとポリ袋などで密閉して保管してください。その後は出来る限り早めにご送付いただくことで、復旧できる可能性が高くなります。

また、USBメモリ、SDカード、microSDカードも水没することで読み込みができなくなることがあります。水没後に乾燥することで不純物が付着、錆やカビによる腐食が発生するなどで、ハードディスク同様にデータ復旧の難易度があがってしまいます。


完全に水没したパソコンやUSBメモリ、SDカード、microSDカードに通電して動作の確認を行うことは状態が悪化する可能性があるため厳禁となります。乾燥を防ぎつつ、なるべく早めにご相談ください。

水害により水没したパソコンやハードディスク、USBメモリ、SDカード、microSDカードは、泥だらけの状態で数日後に見つかったり、発見時にすでに乾燥していたりする場合もありますが、そういったケースでも状態や汚れの内容に応じた処置方法が確立されていますので、データ復旧の可能性は十分にございます。大切なデータが入ったパソコンや外付けハードディスク、USBメモリ、SDカード、microSDカードが水没してしまった場合、諦めずに弊社までご相談頂ければ幸いです。

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■データ復旧と災害対策

https://www.rescue-center.jp/elementary/vol26.html

■水没したHDD復旧からの復旧事例

https://www.rescue-center.jp/case/hdd.html#water

次世代の半導体素材

半導体という言葉は良く知られていますが、具体的にどのような物質なのかとなると知っている方も少ないでしょう。
半導体を簡単に説明しますと、電気を通す物質、金やアルミなどの金属を「導体」、逆に電気を通さない物質、ゴムやガラスなどを「絶縁体」と呼び、その中間に位置している物質が半導体となります。半導体は条件によって電気を通したり、通さなかったりとその性質を変えるので、電化製品の制御を行う上で現代社会では欠かすことのできない物質です。
半導体の素材の代表は「シリコン(日本語ではケイ素)」です。シリコンは地球上では酸素の次にありふれた物質で、また非常に安定しており且つ加工もしやすいため、長年半導体の素材として利用されてきました。

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しかし近年では、次世代の半導体素材として「ガリウム」が注目を浴びています。

およそ半世紀以上シリコンが半導体の主役だったわけですが、そのシリコンにも弱点がいくつかあります。その一つが電気を流す際の発熱の大きさです。使用する電力の量に比例して発熱も大きくなるため、従来の充電器やACアダプターは放熱を効率よく行うためにワット数に比例して大きくするしかありませんでした。
その解決手段の一つとして近年実用化されたのが、より電気抵抗の低い素材「窒化ガリウム」でした。これらはシリコンに比べると最大40%の省エネ効果があるとされており、近年製品化されている例えばスマートフォン用の小型充電器などは大半に「窒化ガリウム」が利用されています。
ただしシリコンは圧倒的に低コストで製造可能なため、目的や状況に応じて素材を使い分けるという形で開発が進んできたわけですが、ここで登場したのが「酸化ガリウム」です。こちらはまだ研究段階ではありますが、理論的な損失比は、シリコンの1/3000、窒化ガリウムの1/3という圧倒的な性能差で、また製造コストもシリコン並に抑えられるという予測もあり、デバイスの小型化、性能の向上による必要電力の向上によりスマートなデバイスが求められている現代に対応しうる次世代半導体と言えるでしょう。またこの酸化ガリウムについては、研究開発において日本が世界をリードしている分野であるということもうれしい点になります。

弊社データ復旧サービスは、スマートフォンでお使いのmicroSDカード、またノートパソコンなどでお使いのUSBメモリが認識しないなどの様々な電子機器のトラブルにおいてお役に立てる可能性があります。お困りの際はお気軽にご相談ください。

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