今やHDDに代わる大容量の記録メディアとしてすっかり市民権を得たSSD。
ノートPCのみならず、コンパクトタイプのデスクトップPCにも内蔵メディアとして採用されるなど、年々シェアを伸ばしています。
SSDの利点としてはHDDと比べて衝撃に強いこと、モーター等の駆動部分がないので省電力であること、そして何よりも読み書きの速度がHDDよりも優れているため、PCの起動や終了が圧倒的に早いことがあります。
■SSDについて
しかし、そんなSSDですがデータ復旧という見地からすると、思わぬ落とし穴が存在することは意外に知られていません。
それは、PC内蔵のSSDにおいては削除データの復旧は不可能であるという点です。
では、なぜデータが復旧できないのでしょうか?
従来のHDDではデータを削除した際に書籍の目次にあたるデータ管理の情報が削除されますが実データの痕跡は残るため、その痕跡をたどる形でデータを復旧することができます。
■データの削除・フォーマットについて
一方SSDの場合、Windows7・MacOS10.7以降の内蔵SSDにおいてはTrim機能という仕組みがあり、それが有効になっていると削除したデータの痕跡はその時点で完全に抹消してしまうからです。
■データ復旧が困難な障害・メディア
SSDは、その特性上セクタ単位での書き換えができないため、ブロック単位で丸ごと入れ替えるという手法で擬似的に書き換えを行っています。
しかし書き換え回数が多くなると、入れ替え用の空きブロックを確保することが難しくなり、データの書き込み速度がどんどん低下していきます。
■データ保存の仕組み
これは根本的にはOSからのデータ更新、削除やフォーマットなどの不要なデータとしての書き換えと、ファイルの作成や上書きなど必要なデータとして書き換えの命令に区別をつけていないのが原因です。従来のHDDの場合はそれで問題がなかったのですが、SSDの場合は要不要の区別がつかないと空きブロックとして利用できないため、使用し続けると空きブロック確保のための時間が無駄にかかり、速度が低下していくという問題がでてきました。
この問題の対応手段の一つとして採用されたのがTrim機能です。
Trim機能が有効になっていると、OS上で削除したデータが不要なデータであることをSSDに明示的に知らせることになり、結果として削除したデータは痕跡もろとも完全に抹消されてしまうわけです。
SSDはPC内蔵のメディアとして、これからもより普及が進んでいくものと思われます。PC内に保存したデータの削除については今まで以上により慎重に行う必要があります。
また、意図せず誤消去してしまった場合に備え、データのバックアップも重要になってきます。
なお、USB接続タイプの外付けSSDではTrim機能が働かないので、削除したデータでも復旧できる可能性は十分あります。お困りの際はお気軽にご相談ください。
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