デジタルデータは、音や映像などの情報を数値に置き換え保存するため、劣化の心配がありません。しかし、デジタルデータを保存するメディアは、物理的な破損や経年劣化等により保存していたデジタルデータが読み取ることができなくなる場合があります。
HDDやUSBメモリ、SDカードなどは、媒体の使用状況や保管状態にも左右されますが、寿命は5年ももたないと思ったほうが良いでしょう。
家庭で使われているDVDやBlu-rayなどの光学メディアの場合、記録層に色素を使用しており、色素の化学変化でデータを記録しています。管理が良い状態であれば10年以上の寿命があるといわれていますが、太陽光などの紫外線に長期間あたるとデータが劣化して読み取れなくなる場合があります。
一方、工場でプレス製造されるDVDやBlu-Rayの場合は、凸凹を刻み込む方式のため劣化しにくいという長所がありますが、製造コストが高いため小ロットの製造には不向きです。
そこで長期保存が可能なメディアとして、開発されたのがM-DISCです。仕様的には従来のDVDやBlu-Rayと変わりはありませんが、耐久性を非常に高めたメディアになっています。特徴としては、色素の化学変化により情報を記録するのではなく、記録膜にレーザーで凹凸を作る形式になっており、いわば疑似的なプレス製造が家庭でも行えるようになったわけです。
紫外線や気温、湿度などの影響による劣化に強く、100年以上(※1)のデータの保存が可能といわれています。
※1米国Milenniata社の試験に基づきます。
■生涯保存ができる「M-DISC」とは
データの読み込みには、通常のDVDやBlu-Rayドライブが利用できますが、書き込みには、専用のドライブが必要になります。記録メディア自体も通常のDVDやBlu-Rayよりも高額なため、コストはかかりますが、大事なデータを保存される場合には、こちらも検討してみてはいかがでしょうか。
記録メディアは適切に保管していた場合でも、ある日突然データが読み取れなくなってしまう可能性がございます。弊社では認識しなくなった記録メディアからデータの復旧を行っておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
■データ復旧事例 > FD/CD/DVD/Blu-ray(ブルーレイ)
■光学メディアについて
■ブルーレイディスクの注意点
■経年劣化でCDやDVDが読めなくなる