データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2019年02月

SSLなしのサイトにご注意

知らないメールアドレスから突然身に覚えのないメールが届き、本文中のリンクや添付ファイルを開いてしまうと、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺を行っているサイトに誘導されたり、ウイルスに感染したりする可能性があります。
とくに最近では、ファイルを暗号化して使用不能にした後、暗号化解除と引き換えに身代金を要求するランサムウェアと呼ばれるウイルスが流行しています。

ワンクリック詐欺の手口としては、Eメールや広告、SNSなどでURLをクリックまたはタップした後、「ご入会ありがとうございました。○○○コンテンツ契約×××円 △日以内にお振り込みください」といった画面が表示され、支払いを要求されるケースがあります。

近年ではスマートフォンが普及したことにより、スマートフォンを標的にしたワンクリック詐欺も多く見られるようになりました。スマートフォンの操作では、閉じようとして誤ってリンク先をタップしてしまう場合が多く、ワンクリック詐欺を防ぐのが難しいとされています。

万が一、スマートフォン操作中に誤ってこのようなサイトに誘導され支払を要求する画面がでたとしても、架空請求にあたるので無視するのが最善とされています。
また、このような詐欺行為の中には、支払を要求する画面に接続している人のプロバイダ名などを表示させ、あたかも個人を特定したような内容で不安を煽るものがありますが、アクセスしただけで氏名や住所などの個人情報が漏れることは絶対にないので安心してください。
不安に思われたときは、消費者生活センターにお問い合わせることをお勧めいたします。

パソコンでワンクリック詐欺サイトから広告プログラムをインストールされてしまうこともあります。こういったソフトが導入された場合、パソコンを起動するたびに架空請求の画面が表示されるなどの問題が発生します。

フィッシング詐欺は、サービス事業者を騙ってパスワードや銀行口座情報、クレジットカード番号などの情報を盗み取る犯罪です。
主な手口としては、サービス事業主を装ったEメールを不特定多数のユーザに送信し、本物そっくりの偽サイト(フィッシングサイト)に誘導しパスワードなどを入力させる方法です。
フィッシング詐欺にあわないようにするためには、「サービス事業主を装ったメールかどうか」、「偽サイトに誘導されているかどうか」の判断ができれば被害を防ぐことが可能です。

テキスト形式のメールは文字情報だけですが、HTML形式のメールは文字の色を変えたり、画像を埋め込んだりできます。さらにHTML形式のメールは本文中にログインIDやパスワードの入力欄を埋め込むことも可能です。
このようなメールは、フィッシングメールの可能性が非常に高く、そのまま入力してしまうと、入力した内容を盗みとられてしまうので、絶対に入力しないでください。

サービス事業者によっては、送信されるEメールに電子署名がされていることがあります。電子認証は、電子認証局から発行される「電子証明書」を用いて、なりすましの防止や情報の改ざんを防止する技術です。特に金融機関などからのメールには、電子署名がされていることが多いので、必ず確認しましょう。電子署名の確認方法はメールソフトにより異なります。

フィッシングメールは、偽サイトに誘導して情報を入力させようとします。そのため、メール本文中にあるURLが正しいかどうかを判断できれば、フィッシング詐欺に引っかかることはありません。
HTMLメールの場合画面上に出ているURLとクリックして飛ぶURLを別のものに変えることができます。そのため、銀行のURLだと思ってクリックすると詐欺サイトに飛ばされることがあります。開いた後でブラウザ上のURLも確認が必要です。

そもそも、メール内のURLをクリックしなければ問題ありません。たとえば銀行からのお知らせは、ほとんどの場合オンラインバンキングのページでも同じ内容が表示されるので、メールのURLを開かずに、直接銀行のトップページからオンラインバンキングにログインすれば偽サイトに引っかかることはありません。

以前は、こういった偽サイトを防ぐためにセキュリティソフトが必須でしたが、最近はブラウザ自体の機能で、フィッシングサイトの警告を表示してくれることがあります。古いブラウザを使っていると、脆弱性を突いて広告アプリが侵入してしまう危険もあります。最新のブラウザを使うようにすれば、より安心できるでしょう。

■ブラウザの歴史

十分に注意していてもメールの内容では判断できずにフィッシングメールのサイトを開いてしまうことがあります。また、メール以外でもSNSやメッセージアプリ等を経由して偽サイトへ誘導されてしまうことがあります。そういった場合はどこに注意すればいいでしょうか?

ホームページには通常のhttp:// で始まるサイトと、https:// で始まるサイトがあります。httpsで始まるサイトは、SSLという技術が導入されていて、通信内容が暗号化されています。
SSLが導入されていると、ブラウザのアドレス欄に鍵のマークが表示され、そこをクリックすると認証発行元などの表示がでます。

公式HPではSSLを導入しているサイトが多いので、SSLの有無で、フィッシングサイトであるか見分けることが可能です。
また、SSLが導入されていないと情報を傍受される可能性があるので、フィッシングサイトの疑いのあるページでなくてもSSLが導入されていない入力フォームではパスワード等の情報を入力することは控えましょう。
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データレスキューセンターでもSSLを導入しています。
実際に開いてSSLに対応していることを確認してみましょう。
https://www.rescue-center.jp/

SSL証明書を確認することでだいたいのフィッシングサイトを見分けることが可能ですが、巧妙に偽装していて気付きにくいこともあります。
その場合は入力を求められている情報の量である程度の判断が可能です。オンラインバンキングの取引では乱数表が使われていることがありますが、その数字を全部入力するように促すサイトは間違いなく詐欺サイトです。通常の取引では、乱数表の特定の数カ所だけの入力が求められるだけで、すべての数字を入力することは絶対にありません。
無料の会員登録のはずなのに、クレジットカード番号を入力するようなサイトも注意が必要です。

SSLの証明書を確認して、正しい銀行サイトであることを確認して、パスワードを入力した場合でもパソコンの中にスパイウェアが入り込んでいた場合は、入力したパスワードの情報が筒抜けになってしまいます。
ウイルス対策ソフトには、スパイウェアの侵入や動作を防ぐ機能や、インターネット上の危険なサイトにアクセスしようとすると警告を出す機能、サイトに移動する前に自動的に停止する機能を備えたものがあります。
スマートフォンを狙ったランサムウェア型のウイルスも増加傾向にあるので、ウイルス対策ソフトの導入を強くお勧めいたします。

■コンピューターウイルスと対策ソフト

Ultra HD Blu-rayのデータ復旧

4Kテレビが普及段階に入り、4K映像コンテンツを見るための光ディスクの規格「Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」も発売されています。また、PC内蔵用の再生ドライブも発売され、PCでも再生できる環境が整いつつあります。

このUHD BDは、既存のBlu-rayディスクとは何が違うのでしょうか。一つ目は4Kといわれる解像度3840×2160の映像に対応した点です。Blu-rayやTV放送ではFull HD (1920×1080)の解像度が使用されていましたが、4Kはその4倍の解像度となっています。

二つ目はHDR(High Dynamic Range)といわれる技術に対応したことです。対応したテレビで再生すると、高コントラスト(明るさ)での表示し、今までよりもより人間の目で見たときに近い映像を表現することが可能となります。現在のところ、パソコンではOS側の対応が追い付いておらず、パソコンで再生した場合は従来の明るさでの表示となります。

4K放送も放送が始まり、対応する機器はこれから更に増えていくことが予想されます。
当然再生する環境が必要となりますが、映像をより綺麗に見られるようになっていくようです。

従来のBlu-rayディスクは1層または2層となっていて、データ量は25GBもしくは50GBとなっていますが、4K映像を収めるには容量が足りないため、UHD BDでは3層(100GB)や4層(133GB)のディスクが使用されます。この3-4層のディスクは、BD XLと呼ばれます。
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BD XLはUHD BD専用のディスクというわけではないので、4K映像以外のデータを書き込むことも可能です。たとえば、Blu-rayレコーダでの長時間録画や、パソコン用のBD XLドライブでは、書き込みも可能で大容量のバックアップを取る際に使用できます。ただし、BD XLと従来のBlu-rayドライブには互換性がなく、BD XL非対応のドライブでは再生不可能となるので注意が必要です。

弊社ではBD XL を含めたBlu-ray Discに書き込んだ動画(TV録画を除く)や画像、PCデータの復旧に対応しておりますので、読み込めないディスクがあれば一度ご相談ください。

CD/DVD/BD(Blu-ray ブルーレイ)のデータ復旧事例

経年劣化でCDやDVDが読めなくなる

データを保存していたDVDを見ようとした時に以前保存していたデータが読み込めなくなったという経験はありませんか?
CD-RやDVD-R、BD-R(Blu-ray)などの記録可能な光学メディアはディスクにレーザーを当てデータを記録します。ディスクの記録層とよばれる部分にレーザーが当たり、色素が変化を起こすことで情報が記録されます。
DVD-Rの記録層には、炭素を含む有機系の色素が使用されており、光や熱などに弱く保存環境によっては何もしていなくても劣化してしまいます。そのため、ディスクに傷も付いてないのに読み込めなくなるということが起きます。
BD-Rの記録層には主に無機系の色素が使用されており、DVD-Rと比べると経年劣化には強くなっています。

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DVD-Rより経年劣化に強いBD-Rですが、注意が必要な部分もあります。
記録層の上に保護層がありますが、BD-RではDVD-Rより保護層が薄く作られています。そのため、ディスク表面の少しの傷や汚れでもデータが読み込めなくなります。

「指紋が付いただけで読み込めなくなった」、「不織布ケースに入れていたら傷が付いた」ということをよく聞きますが、これは保護層が薄いために起こります。指紋だと6個程度でも読み込めなくなると言われています。また、通常のディスクケースであれば内周部分の爪で固定されるので、ディスクが宙に浮いた状態になりますが、不織布でできた簡易ケースだと、ディスクの表面に常に異物が接触していることになり、ダメージを与えてしまいます。
ただ、Blu-rayディスクはその保護層の薄さをカバーするために、ハードコーティングが施されているので、汚れや傷がつきにくくなっていて、指紋もすぐに拭き取れます。

また、光学メディアは、湿度や温度の変化でもダメージを与えてしまいます。なるべく低湿度、低温度の安定した場所で保管しましょう。

取り扱いや保存方法を間違わなければ何十年ともつと言われている光学メディアですが、気を付けていても突然に認識しなくなることはあります、もちろん傷や汚れ、経年劣化で読み取れなくなった光学メディアのデータ復旧にも対応しておりますので、万が一の場合は弊社にご相談ください。

データ保護のススメ
CD/DVD/BD(Blu-ray ブルーレイ)のデータ復旧事例

"OS"ってなに?どういうことをしているの?

現在使われているパソコンやスマートフォン、タブレット端末には、全てOS(オペレーティングシステム)が入っています。OSは、コンピューターのパーツの制御や、データの入出力の制御を行っています。
現在のコンピューターはOSがないと使うことができませんが、初期のコンピューターにはOSが存在せず、ユーザーが各周辺機器を自力で制御してプログラムを実行していました。

初期のOSは基本的な機能しか備わっておらず、実用的なツールやソフトは追加のアプリケーションという形で提供されていました。パソコンが高機能になるにしたがって、OSの役割は広まり、様々なソフトが標準でOSについてくるようになっています。
たとえば、以前のWindowsにはウイルス対策ソフトが付属していませんでしたが、現在は対策ソフトであるWindows Defenderが標準でインストールされるようになっています。
また、AndroidやiOSには、電話、ブラウザ、カメラ等の機能がOSと一緒にインストールされます。


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現在、一般的に使われているOSには、以下のようなものがあります。これはごく一部で、ほかにもたくさんのOSがあります。
・Windows:Microsoft社製。パソコンやサーバーで使用。
・macOS(またはOS X):Apple社製。Apple社が販売するパソコンで利用
・Linux:オープンソースのOS。サーバーやパソコン、組み込みシステムなどで利用
・Android:Google社製。スマートフォン、タブレット等で利用
・iOS:Apple社製。iPhone、iPad等で利用

異なるOS同士でのデータのやり取りで困るのは、ファイルシステムです。それぞれのOSで使えるファイルシステムが異なり、HDDやUSBメモリに書き込んだデータが開けない場合があります。
データが読めないだけではなく、認識できないファイルシステムのディスクを未フォーマットのディスクと誤認識して、フォーマットしてしまう場合もあります。

具体的にOSはどういった働きをしているのでしょうか。

パソコンなどのコンピュータは、ある程度の規格が決まっているものの製品ごとに構成が異なります。さらに、そのコンピュータに接続する周辺機器や、コンピュータ上で動くソフトも数え切れないほど存在します。そこで出てくる問題が「互換性」です。
OSは、多種多様なハードウェアを制御する役割を持っており、利用者が制御しているハードウェアの違いを意識しなくて済むようにしています。

たとえば、キヤノンのプリンタであっても、エプソンのプリンタであってもOSを経由することで「印刷する」という機能だけ抽出して扱えるようになり、どのソフトからでも機種の違いを意識せずに印刷できるようになります。実際のプリンタはインクヘッドを動かしたり、適量のインクを噴出したり、紙を動かしたりと複雑な動きをする機械ですが、OSによって「印刷する」という簡単な概念に置き換えられます。これを「抽象化」と呼びます。

同じように、ハードディスクであってもSSDであっても、USBメモリであってもOSのおかげで「データを記録する」という機能だけを利用できるので、ハードディスクとSSDでデータを保存するときの操作方法が変わることはありません。ユーザーはどんな記録装置がついているか、どんなファイルシステムを使っているか、まったく知らなくてもコンピュータを扱えます。
OSを経由することで、使っているハードウェアが何なのか意識せずに済むので「ハードウェアの隠ぺい」とも呼ばれます。

このハードウェアの「抽象化」と「隠ぺい」がOSの基本的な概念です。
OSによってハードウェアは扱いやすくなりますが、データ復旧の現場では実際のハードウェアにどのようにデータが記録しているのか把握する必要があるため、逆に「抽象化」と「隠ぺい」によって作業が困難になってしまうこともあります。データが消失した記録装置のファイルシステムが何だったのか、どのようにデータを記録していたか、元の状況をOSに頼らずに推理していくような作業が必要になる場合もあります。

データレスキューセンターでは様々な媒体、障害事例に対応をしています。
データの破損や消失でお困りの際はお気軽にお問合せください。

次世代ファイルシステムの解説記事を追加

データレスキューセンターのホームページに次世代ファイルシステムの解説記事を追加を追加しました。
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https://www.rescue-center.jp/elementary/vol46.html