データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2018年11月

光学メディアについての記事を掲載

データレスキューセンターのホームページの「いまさら聞けないパソコン基礎知識」に光学メディアについての記事を掲載しました。

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https://www.rescue-center.jp/elementary/vol44.html

マルチコアCPU

パソコンやスマートフォンなどのコンピュータの基本性能は、中枢部分となるCPUの処理能力によって変わります。同じ種類のCPUであれば、1秒間に何回計算ができるかを示すクロック数が大きいほど同じ時間に多くの計算ができるので、高性能となります。

昔のCPUは、クロック数を高めることで処理能力を上げていましたが、高クロック化で向上する性能以上に消費電力と発熱量が多くなるためクロック数には限界があります。そのため、クロック数を高めずにCPUの性能を向上させる手段として、”マルチコア”という手法が用いられるようになりました。


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コンピュータにCPUを複数搭載すれば、多くの処理を同時に行えるようになります。しかし、CPUを複数搭載するとそれぞれのCPUのための回路や、冷却ファンが必要となり、コンピュータ自体が大きくなってしまいます。そこで、1つのCPUの上にコアを複数搭載することで、複数個のCPUを搭載するのと同じ効果を得る方法が考案されました。これがマルチコアです。


コアは、CPU内で実際に計算処理を行う中核部分で、現在のCPUは複数のコアを搭載したものが一般的です。マルチコアCPUはパソコンで普及が広がりましたが、最近ではスマートフォン用のCPUでもマルチコアのものが使われています。たとえば、最新のiPhone XSでは、A12 Bionicという6コアのCPUが搭載されています。パソコン用のCPUでは、10コアを超えるCPUも登場しています。


Apple iPhone XS A12 Bionic

https://www.apple.com/jp/iphone-xs/a12-bionic/


CPUが複数コアを搭載していると、複数のアプリを同時に起動したときにそれぞれのアプリが別のコアで動作するので、他のアプリの処理の影響を受けにくくなり、シングルコアのCPUと比べて軽快に動作するようになります。また、マルチコアに対応したアプリであれば、1つのアプリで複数のコアを同時に使ってより高速に処理できるものもあります。さらに、起動しているアプリが少ない場合は使っていないコアを休止状態にして消費電力を抑えることもできます。


最新のコア数の多いパソコンでも、データの保存方法は大きく変わることはありません。うっかり操作を誤ってしまうとデータを消してしまったり、起動しなくなったりすることがあります。万が一の場合は、データレスキューセンターまでお問い合わせください。


■PCの構造について

https://www.rescue-center.jp/explanation/pc/structure.html

■初めてのお客さまへ

https://www.rescue-center.jp/new_customer/

Appleの新しいファイルシステム「APFS」

Appleが20年ぶりに導入した新しいファイルシステム、APFS(Apple File System)について解説します。

APFSは、macOSやiOSなどで利用されるファイルシステムで、macOSでは10.13(High Sierra)、iOSでは10.3から正式に採用されています。
以前使用されていたHFS+(Mac OS拡張フォーマット)は1998年頃から使われており、約20年ぶりの刷新となるAPFSは最新のハードウェアやソフトウェアに合わせた最適化・工夫がなされています。

Apple:APFS フォーマット
https://support.apple.com/ja-jp/guide/disk-utility/aside/glose9c04d04/18.0/mac/10.14
キャプチャ


以前のファイルシステムと比べ、さまざまな機能追加が行われています。
HFS+ではシングルスレッドにしか対応していませんでしたが、APFSではマルチスレッドに対応しています。また、同一ボリューム内のファイルのコピー時に実データをコピーせずその後のファイル改変時に初めてコピーするコピーオンライト方式の採用によりファイルのコピーが瞬時に終わるようになりました。無駄な書き換え回数が減るため、SSDの寿命が縮むのを防げます。
セキュリティ面でも機能が向上しており、ファイルシステムレベルでのネイティブな暗号化に対応しています。
さらに、クラッシュ時の破損予防としてデータの書き換えは直接行うのではなく、一旦別の領域にデータを作成してから、元のデータ領域を差し替える処理に変更することで、トラブル発生時の破損の可能性が減る仕組みになりました。

もちろん良いことばかりではありません。
導入当初は一部のアプリケーションを使用する際での不具合などがいくつも報告されています。修正は行われていますが今後も、思わぬトラブルが発生する可能性は捨てきれません。
また以前のバージョンのOSでは読み書きができないというのも大きな問題点です。macOS10.12(Sierra)はAPFSに対応していますが、それ以前のOSでは読み書きができないので、例えば職場や学校など、複数のOSのバージョンが混在している環境ではAPFSフォーマットの外付けのメディアにデータを保存すると、別のMacでは開けないケースも発生します。
そのため、しばらくの間は内蔵のHDD/SSDはAPFSフォーマットにしても、外付けHDDなどは従来の「HFS+」のままで使われているという方法がお勧めになりそうです。

弊社ではMacのデータ復旧はもちろんのこと、APFSという新しいフォーマットにあわせた復旧技術、プログラムの開発も引き続き行っています。トラブル発生の際はお気軽にご相談ください。

■データ復旧:TOPデータ復旧:トップ > データ復旧事例(Mac)
https://www.rescue-center.jp/case/hdd.html#mac

Windows7のサポート期限

2020年1月14日に、マイクロソフトによるWindows7のサポートが終了し、Windows7の脆弱性(システム上の欠陥)が新たに発見された場合でも対応されなくなります。

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https://www.microsoft.com/ja-jp/atlife/article/windows10-portal/eos.aspx

サポート終了で一番困るのはセキュリティ更新プログラムの提供がなくなる点です。
セキュリティ更新プログラムは、不具合やセキュリティの脆弱性を修正するためのプログラムです。セキュリティ更新プログラムを適用することで、マルウェアや未知のウイルスなどによる被害を防ぎ、パソコンを安全・快適に利用できます。この更新がなくなると、OSは様々な脅威にさらされることになります。

2014年にWindows XPのサポート終了の際は、OSのアップグレードやPCの買い替えに伴うトラブルが発生し大きな話題となりました。
マイクロソフトのページでも記載されているように、あらかじめ準備しておくことでトラブルを回避できます。
使用しているソフトや周辺機器が新しいOSにも対応しているか確認しましょう。古い周辺機器やソフトの場合はWindows7までの対応となっているものもあります。
パソコン本体を買い替える場合は、しばらくは以前のパソコンも併用しながら動作確認をすることで、スムーズな環境変更が可能です。仮に、新しい環境で動作しない周辺機器があった場合でも新しい周辺機器を調達するまでの間は以前のパソコンで対処できます。
本体を買い替えずにOSをアップグレードする際にOSが起動しなくなる、データが消えてしまうなどのトラブルが発生するリスクがありますので、アップグレード前にバックアップを忘れずに行って下さい。
弊社サイトでもバックアップに関してのご案内がありますので、ご参照ください。

■データバックアップ入門
https://www.rescue-center.jp/primer/

ちなみに、OSと同様に、ブラウザのインターネットエクスプローラ(IE)もサポート期限があります。Windows 10上のIE11のサポート期限は2025年10月15日となっています。利用者はEdgeやChromeなど他のブラウザへの乗り換えが必要となりますが、現在IE用の仕様になっているサイトは正常に表示されなくなる可能性があります。

データレスキューセンターでは、OSのアップグレード時に消えてしまったデータの復旧にも対応しておりますので、変更時のトラブルの際は、お気軽にお問い合わせください。

HDDに使われているトルクスネジ

パソコンのHDDはパソコンのパーツショップで販売されていて、本体との接続はケーブルを挿すだけで、固定も一般的なプラスドライバーがあれば簡単にできます。
しかし、故障したHDD自体を修理することは不可能です。

HDDの外装はネジ止めされていますが、よくあるプラスやマイナスのネジではなく「トルクスネジ」が使用されています。トルクスネジとは星形をしたネジ穴で、プラスやマイナスのドライバーでは回すことができません、六角とも違うので専用のトルクスドライバーが必要になります。

工具の基礎知識 「トルクスレンチ類」
キャプチャ

https://ktc.co.jp/support/impact/003.html

トルクスドライバーを用意すればHDDの分解はできますが、やはり修理は不可能です。HDDの内部は非常に精密な構造になっており、パソコンの修理のように開封してパーツを交換すれば動くようになるというわけではありません。万が一間違ってHDDのネジを回して開封してしまうと、ほこりやゴミが内部に入り込んでしまい、記録領域が破損してしまいます。また、トルクスネジを回すことでプラッタ(円盤部分)の中心軸がずれ、正常な回転ができなくなることもあります。HDDを開けることで、状態が悪くなることはあっても、良くなることはありません。HDDの開封によってデータ復旧が不可能になってしまうことがあります。

弊社では開封が必要なHDDの障害にも対応しておりますが、HDDをもと通り動くようにするのではなく、一時的に動作するようにしてデータを強制的に読みだす物理的処置を施しています。
HDDの開封作業は外科手術と同じでありリスクが伴います。そのため、初期調査にて開封処置が必要と判断された時点でその旨ご説明させていただき、お客様からの明確な承諾をいただかない限り、開封作業を実施することはありません。

HDDの障害であれば物理障害に限らず対応しておりますので、何かあればまずは弊社にご相談ください。

■3つのお約束
https://www.rescue-center.jp/3promises/
■ハードディスクについて
https://www.rescue-center.jp/explanation/harddisk/
■ハードディスクの構造
https://www.rescue-center.jp/explanation/harddisk/structure.html
■ハードディスクの復旧事例
https://www.rescue-center.jp/case/hdd.html
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