データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2018年09月

クラウドストレージのメリットと注意点

データレスキューセンターのホームページのいまさら聞けないパソコン基礎知識にクラウドストレージのメリットと注意点の記事を掲載しました。
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https://www.rescue-center.jp/elementary/vol42.html

音楽は「所有」から「定額サービス」へ

20年ほど前までは、多くの方が音楽を聴くときにウォークマンやCDコンポを使用していましたが、現在はパソコンや携帯電話で音楽を聴いている方がほとんどだと思います。
まだ、日本国内ではCDを購入してPCやスマートフォンに取り込んで聞いたり、ダウンロードサイトで購入したりすることが多く「音楽データを所有する」ことが前提となっています。
一方、海外においては定額音楽配信サービスの利用者が非常に多く、1か月あたり数ドルの会費を払って数千万曲の楽曲を自由に聞けるようになっています。

定額音楽配信サービスでもっとも成功しているのがSpotifyです。

Spotifyは2008年にスウェーデンで生まれたサービスで、2016年から日本でも配信サービスを提供しています。
月額980円で提供していますが、無料でも利用可能で、無料版は機能が制限される、途中で宣伝が挿入されるなどの制約があります。

Spotify以外にもApple Music、Amazon Music Unlimited、Google Play Musicなどの海外サービスがあり、日本向けのレコチョク、LINE MUSIC、ANiUTaなどもあります。

CDを所有する必要がない、膨大な数の曲をいつでも聴ける、いくら聴いても同じ料金、その都度ダウンロードできるので携帯電話のストレージ容量を消費しないなどのメリットがあります。しかし、まだ配信サービスに曲を提供していない歌手もたくさんいるため、聞きたい曲が聴けないことも多いです。サービスごとに配信楽曲が異なるので、場合によっては複数のサービスを併用しなければいけないこともあります。
また、携帯電話で聴く場合は通信容量を使用してしまうというデメリットもあります。

こういった配信サービスが日本でも主流になってくると「保存してあった音楽データが消えたので復旧してほしい」という依頼がなくなってしまうため、データ復旧サービスを提供する側としては複雑な気持ちになりますが、これも時代の流れでしょうか。

海外でも配信を拒否しているアーティストはたくさんいるので、今後もデータとして保有しなければいけない音楽データもあるでしょう。そういったデータが消失した場合は弊社で対応可能ですので、お困りの際はご連絡ください。一部の特殊な機種を除き、USBメモリタイプの音楽プレイヤーのデータ復旧にも対応しております。

SDカード/microSDカードの復元事例
その他メディアのデータ復旧事例

記録メディアは中古で買ってはいけない

一般の電化製品を中古で購入される方はよくいらっしゃいます。
中古品は値段が安く抑えられるというメリットの代わりに、新品に比べて故障率が高い、性能も低いなどのデメリットがあります。限定的な利用や割りきった使い方をされるのであれば有効な選択肢として挙げられるでしょう。
中古のパソコンもそのあたりの事情は同じですが、パソコンは部品単位での市場が確立しており、パソコンの組み立て経験がある方なら故障した部品のみを自身で交換できるというメリットがあります。

HDDなどのデータの記録メディアも中古でよく販売されていますが、気をつけなければいけない点は、HDDは消耗品ということです。その寿命については使用環境における影響が非常に大きいため一概には言い切れませんが、一般的な利用においては3~5年ぐらい使用していると、故障率がどんどん上がっていく傾向にあるとされています。

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何年で何割程度が壊れるのかというような統計は、企業などにおいて定期的な買い替えの予算をどの程度想定しておけばよいのかなどの指標にはなりますが、一般家庭においてはあまり意味のある指標にはなりません。買ってすぐに故障することもあれば、5年10年全く故障なく使い続けられた事例も多数あります。
特定のHDDがいつ壊れるのか、あるいは壊れそうなのかを推測するのは非常に困難です。特にHDDは分かりやすい前兆が出て故障するというケースよりも、何の前触れもなく突然故障するというケースが多く、表には出てこない小さなダメージの積み重ねが、ある日突然顕在化するタイプの故障が多いということです。

中古のパソコンやHDDは、それまでどういう環境でどのぐらいの期間使われていたかというのは全く分からないので、潜在リスクも不透明になります。新品同様のHDDもあれば、故障寸前のものもあり、新品と比較すると故障のリスクは非常に高くなります。
中古のパソコンやHDDについては、重要なデータの保存場所として利用するよりは、いつ壊れても構わない使い方、例えば、見返す予定のないテレビ番組の録画や、あまり大切ではない撮りためたスナップ写真や動画ぐらいにとどめておき、長期保存したい写真や文書などを保存する必要がある場合は、(中古ではない)外付けHDDなどの別メディアに保存しておくというような割りきった使い方がお勧めになります。

弊社では購入直後にすぐに壊れたHDDから、何年も利用し続けた古いHDDまで対応しておりますので、もしもの際にはお気軽にご相談ください。
HDDのデータ復旧事例
HDDについて

HDDとSSDの容量はどこまで増えるか?

HDDやSSDの容量は今後どうなっていくでしょうか。

現在は14TBのHDDが最大ですが、Seagate社は20TBのHDDを2020年に発売すると発表し、WesternDigital社はマイクロ波アシスト磁気記録(MAMR:Microwave Assisted Magnetic Recording)方式の実用化にめどがついたとして、2025年までに40TBの容量を実現できると発表しています。

Seagateの発表
WDの発表

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以前はSSDよりもHDDのほうが大容量とされていて、現在でも普及価格帯の商品ではHDDのほうが大容量ですが、企業向け製品を含めた最大容量だと20TBのSSDも存在し、すでにSSDのほうが大容量になっています。
また、Samsung社が30TBのSSDの量産を発表し、米国のNimbusData社も50TBや100TBの製品を2018年に発売すると発表しています。

Samsungの発表
NimbusDataの発表

SDカードは規格上の上限が128TBになりましたが、実際のSDカードの製品化は技術的には乗り越えるべき課題が多く、上限に達するのはまだまだ先になりそうです。しかし、HDDよりも歴史が浅い分、SDカードは技術革新の余地が大きいので、そのうち1枚のSDカードでHDDを超える容量になることでしょう。そうなると、SDカードのバックアップ用に単体のHDDでは容量が追いつかず、RAID構成のHDDの利用が増えるかもしれません。

■メディア解説 > RAIDについて

仮に、128TBのSDカードができたとすると、1枚のカードでどのぐらいのデータが保存できるのでしょうか。
一般的なフルHD(1920×1080)動画はおおよそ10分で1GBの容量となります。1時間あたり6GB、24時間で144GBとなるので128TBをフルに撮影した場合、888日分=約2.4年分の撮影が可能です。
フルHDよりも大容量となる4K動画の場合は、画質設定次第ですが1分で1GBもの大容量となります。それでも128TBの容量があれば約90日分の動画を記録できます。そのころには4Kを超える8K、16Kの動画が主流になっているかもしれません。

こうなると常にカメラを持ち歩いて毎日の生活を撮り続けることも可能となります。
ここまでカード容量が増えれば、一切削除をしなくても撮影しつづけることができますが、バックアップを怠ると、突然の障害でデータをすべてなくしてしまうことになり、データが多い分、ダメージが大きくなります。

データレスキューセンターでは、容量を問わず多数のメモリーカードのデータ復旧を行っており、発売されたばかりの大容量の記録メディアにも対応しています。メモリーカードが認識しなくなった、誤ってデータを削除してしまったなど、お困りの際はお気軽にご相談ください。

■SDカード/microSDカードの復元事例
■SDカードについて
■SDカードの構造と動作
■SDカードリーダーやアダプタの使い方

お客さまの声を更新 金沢大学 准教授 中野涼子様

お客さまの声に、破損した32GBのUSBメモリのデータ復旧をご依頼いただいた金沢大学 准教授 中野涼子様の情報を掲載しました。
キャプチャ
https://www.rescue-center.jp/customer/nakano.html
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