データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

2015年12月

暗号化とデータ復旧

ホームページから申し込みや買い物をする際に、「SSLを利用しています」などの表示を目にすることがあります。SSLとはSecure Socket Layerを略したもので、インターネット経由で情報を送受信する際に、情報を暗号化する仕組みです。
SSL以外にも、暗号化はパソコンやUSBメモリなどのデータを保存したメディアの盗難や紛失の際に情報が漏えいしないようにしたり、無線LANを利用して公共の場所で通信をする際に情報が盗まれないようにしたりなど、さまざまな所で使われています。
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一般に用いられる暗号方式は、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の二つがあります。
共通鍵暗号方式は、暗号化する際と復号化する際に共通のカギを利用する暗号方法です。同じカギ(パスワード)を使って暗号化と復号化を行うため、カギ(パスワード)を知られると情報を読み取られることになります。パスワード式のUSBメモリやZIPファイルなどで、共通暗号化方式が用いられています。

公開鍵暗号方式は、暗号化に使うカギと、復号化に使うカギを別にする暗号方法になります。施錠と開錠でカギが異なるので、施錠用のキーを公開し、送信者にカギをかけてもらって非公開の開錠キーで情報の秘匿性が保ったまま安全にデータを開くことができます。実際にはプログラム上で自動的に公開カギがやり取り行われるため、ユーザーはあまり公開カギを意識することはありません。SSLはこの公開鍵暗号方式が使用されています。

普段お使いのハードディスクやUSBメモリ等も暗号化されているものが増えており、情報の安全性を守られるようになっていますが、パスワードが分からなくなってしまうと、データを読み出すことが出来なくなります。また、暗号化されたメディアが壊れてしまった場合は、復号化を行わないとデータの復旧が出来ないため、より複雑な作業が必要となる場合があります。暗号化しているメディアのバックアップは、忘れずに行うようにしましょう。

■データ復旧と暗号化
■暗号化されたメディアのデータ復旧事例

USBの電力不足に注意

USB接続の機器が認識しないという経験はないでしょうか。認識しない原因はさまざまなものが考えられますが、そのひとつにUSBポートの電力不足があります。

USBポートはUSBメモリやUSB接続HDD以外にも様々な用途で使用されていて、携帯電話の充電などでも使用されています。USBポートから電源を取る便利グッズも多く存在し、USB扇風機やUSBカップウォーマー、USBカイロなどもあります。非常に便利ですが、USBポートから供給できる電力には限界があります。

USBポートには種類があり、それにより給電できる電力が違います。USB2.0のポートは2.5W、青い端子のUSB3.0のポートは4.5Wになります。新規格のUSB3.1のポートは最大で100Wとなり大幅な電力アップとなっています。一部のノートパソコンでは、電源ポート代わりにUSB3.1ポートが搭載されています。


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ACアダプタが付属しないタイプのUSBハブを介して接続をすると動作がおかしくなったり、認識しなくなったりすることがありますが、これはもともと1つのポートの電力を分けて使用しているためです。USBメモリは認識するのでUSBポートは壊れてないようだけどUSB接続のHDDは認識しないような場合このUSBポートの電力不足が考えられます。

認識しないだけなら接続を変えるだけで対処も可能ですが、電力不足のまま動作させると機器が認識できなくなってしまう可能性もあります。USBハブを使用する場合はマウスやキーボードなど消費電力が低いものだけを使用して、消費電力の大きなものはUSBハブを使わずに直接接続する事をお勧めします。対策をとっても突然にトラブルは起こる事がございますので、何かございましたらお気軽にご相談ください。

メディア解説:USBメモリ
復旧事例:USBメモリ
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