ホームページから申し込みや買い物をする際に、「SSLを利用しています」などの表示を目にすることがあります。SSLとはSecure Socket Layerを略したもので、インターネット経由で情報を送受信する際に、情報を暗号化する仕組みです。
SSL以外にも、暗号化はパソコンやUSBメモリなどのデータを保存したメディアの盗難や紛失の際に情報が漏えいしないようにしたり、無線LANを利用して公共の場所で通信をする際に情報が盗まれないようにしたりなど、さまざまな所で使われています。
一般に用いられる暗号方式は、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の二つがあります。
共通鍵暗号方式は、暗号化する際と復号化する際に共通のカギを利用する暗号方法です。同じカギ(パスワード)を使って暗号化と復号化を行うため、カギ(パスワード)を知られると情報を読み取られることになります。パスワード式のUSBメモリやZIPファイルなどで、共通暗号化方式が用いられています。
公開鍵暗号方式は、暗号化に使うカギと、復号化に使うカギを別にする暗号方法になります。施錠と開錠でカギが異なるので、施錠用のキーを公開し、送信者にカギをかけてもらって非公開の開錠キーで情報の秘匿性が保ったまま安全にデータを開くことができます。実際にはプログラム上で自動的に公開カギがやり取り行われるため、ユーザーはあまり公開カギを意識することはありません。SSLはこの公開鍵暗号方式が使用されています。
普段お使いのハードディスクやUSBメモリ等も暗号化されているものが増えており、情報の安全性を守られるようになっていますが、パスワードが分からなくなってしまうと、データを読み出すことが出来なくなります。また、暗号化されたメディアが壊れてしまった場合は、復号化を行わないとデータの復旧が出来ないため、より複雑な作業が必要となる場合があります。暗号化しているメディアのバックアップは、忘れずに行うようにしましょう。
■データ復旧と暗号化
■暗号化されたメディアのデータ復旧事例