弊社にお問い合わせいただくなかでもよくある症例として、突如記録メディアが初期化 (フォーマット)を要求されて、指示に従いそのまま初期化してしまうというケースがあります。
従来の携帯電話やデジタルカメラの場合、こういった誤フォーマットでも復旧できる事例が多かったですが、最新の機器での誤フォーマットは復旧が不可能と判断されるケースが増えてきています。これはどういうことなのでしょうか?

vol12_img10

・データの削除・フォーマットについて

記録メディアを初期化した際には、データを書き込むための区画と一緒に、書籍の目次に当たる構造情報も記録メディア内に保存されます。
この構造情報を参照してパソコンや携帯電話、デジタルカメラなどが記録メディア内のどこにどういったデータが記録されているかを把握しますが、何らかの原因でこの構造情報が損傷を受けてしまうと、パソコン等が記録メディアを初期化されていないものと誤って認識してしまうため、初期化を要求してくるというわけです。

ここで初期化を行うと記録メディア内に新たな構造情報とデータ区画が整えられるので、記録メディア内へのアクセスやデータの保存は可能となりますが、今まで記録したデータは消えてしまいます。
では、このような状態でもデータが復旧できるケースがあるのはなぜでしょうか?

実は初期化の方法も2種類あり、簡易フォーマットと完全フォーマットがあります。簡易フォーマットは、以前のデータの痕跡が残っていますが、完全フォーマットではデータの痕跡を根こそぎ完全に抹消してしまいます。
復旧可能と判断されるケースは簡易フォーマットの場合ですが、最近では完全フォーマットをしてしまう機器が増えています。
完全フォーマットを行う機器の一例としてはAndroidを採用した携帯電話や一部のデジタルカメラやビデオカメラがあります。
なぜ完全フォーマットをする機器が増えたのかは不明ですが、情報漏えいのリスクを回避するためではないかと思われます。

フォーマットを行うことにより情報の書き換えは必ず発生するため、データの取り出しが必要なときには、フォーマットは行わないことを推奨いたします。
最新の機器でも、全てが完全初期化を行うわけではなく、完全フォーマットを行う機器でも障害の影響でフォーマットに失敗してデータが残るケースもあるので、あきらめてしまう前にお気軽に弊社までご相談ください。

・よくあるトラブル事例
・データ復旧事例
・データ保存の仕組み