ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation、RPA)という言葉をご存知でしょうか。
これまでは人の手で行ってきたコンピュータの操作をソフトウェアロボット(コンピューター)に行わせることで、精度を向上させ時間を短縮するという取り組みです。主にオフィス業務を自動化する目的で用いられ、あらかじめ設定された手順に従って自動的に処理をするのが特徴です。人間や人工知能(AI)と違って状況に応じた判断はできないので複雑な業務には向きませんが、データの入力や集計といった複雑ではないが量の多い仕事に向いています。
同様の技術にマイクロソフトオフィスのマクロ機能がありますが、RPAはより幅広い対応が可能で、Excelとブラウザ、経理ソフトとメールソフトなど、ソフトをまたいだ自動処理にも対応しています。
近年、このRPAとAIを活用して様々なサービスが展開できるのではと考えられ、注目を集めています。
今までは紙で作成・保存してきた情報をデジタル化して、入出力を自動化することによって、手作業によるミスを防ぎ、処理にかかる時間を短縮することが可能になります。RPAによって発生した余力を、顧客向けのより高品質なサービスの展開に向けるという考え方です。


ただ、RPAを導入するにあたってはリスクもあります。RPA機能がシステム障害や天災などで停止すれば業務が遅延もしくは停止してしまう危険性があります。また、複数のアプリケーションをまたいで動作するため、使用しているソフトが一つでもバージョンアップや仕様変更すると動作しなくなる恐れがあります。また、繰り返し処理をすることが前提なので、単純な設定ミスでも大きな問題に発展する可能性があります。さらに、責任の所在が不明確になったり、担当者の異動によって維持管理が困難になったりするケースが想定され、不正なアクセスによって機密情報が漏洩する可能性あります。外部からの攻撃だけでなく、内部からの悪意を持った操作によって誤作動を起こす可能性もあります。
RPAを導入する際は、管理の方針や体制、責任の所在や役割、品質の管理維持といった内部統制を明確に構築する必要があると強く指摘されています。比較的手軽に導入できるため話題になっているRPAですが、新たに生まれるリスクを回避するための準備も万全にしておかなければ、上手に活用するのは難しいといえそうです。
ところで、このようにRPAを活用するためには、元になる膨大な量のデータを安全に保存しておく必要があります。データの保存はどのように行われているのでしょうか。
企業が利用するデータはサーバーで保存・管理されているのが一般的です。サーバーは24時間常時稼働している必要があるので、故障やメンテナンスでシステムを停止させないように考慮されており、RAID環境などを利用してシステムの信頼性・冗長性・保守性を高めるよう設計されています。温度管理や埃対策が施された専用のサーバールームやデータセンターと呼ばれる施設に設置されることも多いです。
また、以前はサーバーといえば企業向けの大規模なものでしたが、最近では小規模オフィスや家庭でも利用できるネットワーク接続型のHDD(NAS)も一般的になってきました。NASもサーバーの一種で、家庭内でデータを共有することができるため、家電量販店などでも様々なモデルが販売されるようになりました。HDDを複数搭載したRAIDモデルも増え、万が一のデータ喪失に備えるという謳い文句で販売されることもあるようです。
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しかし、企業のサーバーも家庭のNASも、地震や洪水などの天災や機械の突然の故障などでデータが失われる可能性をゼロにすることはできません。企業の運営するサーバーに不具合が発生した結果、重要な情報がいっぺんに消失してしまった事例もあります。一般家庭でも、家族の誰かがうっかり削除や初期化を行ってしまえばもちろんデータは戻ってきません。
弊社ではサーバーやNASからのデータ復旧にも多数の対応実績があります。万が一の際には、お気軽にお声かけください。
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