SDカードに写真を撮りいっぱいになったら別のカードを入れてまた撮影するという使い方をされている方もいらっしゃるかと思います。
SDカードやUSBメモリなどの媒体は長期間放置するとデータが消えてしまう可能性があるのはご存知でしょうか。


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一般に販売されている製品では、データ保持期間は5~10年程度と言われています。
しかも、この数字は新品の場合の数字であり、使用を繰り返した後に長期間保管すると、さらに保存期間は短くなります。
では、たまにパソコンに接続すれば保存期間が延びるのかというとそういうわけではなく、読み出しを行った後で再度記録しなおす必要があります。

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。
SSDのお話しでも触れましたが、NAND型フラッシュメモリと呼ばれる媒体は、セルにデータを記録する際に酸化被膜を通して電子をやり取りすることで書き込みや消去をおこなう仕組みによりデータを記録しています。
記録された電子データは、長期間放置をすると自然放電などによりデータが消失する現象が起きる場合があります。
また、電子データが酸化被膜を通る度に劣化が進み、劣化が進めば進むほど電子が逃げやすくなり、データを保持しておける期間が短くなっていくことになります。

そのため一度データを消去して再度書き込むことである程度データを消えにくくすることができますが、フラッシュメモリの性質上永久にデータが保存できるものではないので、最終的なデータの保存場所として使用することは避けたほうが良いでしょう。
さらに、酸化被膜の劣化が進んだ状態では数年程度とされている保持能力も期待できないので、使用頻度の高いメモリは数年おきに買い替えされることをお勧めします。

メモリ媒体はあくまで一時保存のための媒体であり長期保存が必要な場合はHDDなどの媒体にデータを移すなどバックアップを取ることをお勧めします。

■データ復旧事例(SD) 
■メディア解説(SD)