データが消えたなどのトラブルに手軽に対応できるよう、家電量販店やネット上でデータ復旧用のフリーソフトや市販ソフトが数多く出回っています。
しかしながら、データ復旧のお問い合わせいただく中に、ソフトを試してみたがうまくいかなかったという声を実際に多く耳にします。
結論から言えば、データ復旧に対する知識が不足している中で、このようなデータ復旧ソフトを用いることはあまりお勧めできません。言い換えれば、データ復旧はDIY感覚でできるような手軽なものではありません。
データ復旧ソフトを試す際に一番陥りやすい「盲点」といえば、取り出せたデータの保存先です。
例えば間違ってデータを削除したときに、データを消してしまった対象媒体に復旧ソフトで取り出したデータを保存してしまうと、上書きが発生します。
その場合、データの上書きにより本来復旧できるはずだったデータが二度と復旧できなくなることになります。
また、精度の低いソフトでは、データは取り出せても障害が発生する前のフォルダ構造やファイル・フォルダの名前が失われてしまう場合もあります。
特になくなったデータのファイル名が分かっていて、そのファイルだけを復旧したいが、取り出したデータのどれが目的のファイルに相当するのかわからないといった場合や、フォルダ構造が保てていないとプログラムを動かすことができないといった場合には全く役に立たないということになってしまいます。
さらに、復旧ソフトが対応している障害は、誤削除など媒体自体に機械的な障害が発生していない場合に限られることが多く、媒体自体に読み取りの障害であるリードエラーや異音が出ているHDDのように、物理的障害が発生している場合は太刀打ちができないケースがほとんどです。復旧ソフトを使用することで負荷がかかり、障害が悪化することもあります。
そして、専門家でないとエラーメッセージだけでは復旧ソフトを用いるべきかどうかの判断をしにくい点も、理由の一つとなります。
たとえば、障害の代表例ともいえる「フォーマットしますか?」というエラーメッセージが出る障害は、単に書籍の目次にあたる構造情報が破損しているだけで媒体内に機械的な障害がない論理障害の場合と、前述したようにリードエラーが発生していてエラーメッセージが表示される物理障害の場合の両方が考えられます。
実際は媒体自体に物理障害が発生しているにもかかわらず、論理障害と誤った判断を行い、安易に復旧ソフトを試したところ逆に障害が進行してしまったケースもあります。
データレスキューセンターではより精度の高い専用機器を用いて調査を行っており、論理的障害だけでなく、市販ソフトではお手上げの物理的障害まで幅広く対応しております。
市販ソフトを用いるのに不安を感じた場合や試すかどうか迷われている場合でも、お気軽にご相談ください。
■復旧率を下げない為の10のルール