Appleが20年ぶりに導入した新しいファイルシステム、APFS(Apple File System)について解説します。

APFSは、macOSやiOSなどで利用されるファイルシステムで、macOSでは10.13(High Sierra)、iOSでは10.3から正式に採用されています。
以前使用されていたHFS+(Mac OS拡張フォーマット)は1998年頃から使われており、約20年ぶりの刷新となるAPFSは最新のハードウェアやソフトウェアに合わせた最適化・工夫がなされています。

Apple:APFS フォーマット
https://support.apple.com/ja-jp/guide/disk-utility/aside/glose9c04d04/18.0/mac/10.14
キャプチャ


以前のファイルシステムと比べ、さまざまな機能追加が行われています。
HFS+ではシングルスレッドにしか対応していませんでしたが、APFSではマルチスレッドに対応しています。また、同一ボリューム内のファイルのコピー時に実データをコピーせずその後のファイル改変時に初めてコピーするコピーオンライト方式の採用によりファイルのコピーが瞬時に終わるようになりました。無駄な書き換え回数が減るため、SSDの寿命が縮むのを防げます。
セキュリティ面でも機能が向上しており、ファイルシステムレベルでのネイティブな暗号化に対応しています。
さらに、クラッシュ時の破損予防としてデータの書き換えは直接行うのではなく、一旦別の領域にデータを作成してから、元のデータ領域を差し替える処理に変更することで、トラブル発生時の破損の可能性が減る仕組みになりました。

もちろん良いことばかりではありません。
導入当初は一部のアプリケーションを使用する際での不具合などがいくつも報告されています。修正は行われていますが今後も、思わぬトラブルが発生する可能性は捨てきれません。
また以前のバージョンのOSでは読み書きができないというのも大きな問題点です。macOS10.12(Sierra)はAPFSに対応していますが、それ以前のOSでは読み書きができないので、例えば職場や学校など、複数のOSのバージョンが混在している環境ではAPFSフォーマットの外付けのメディアにデータを保存すると、別のMacでは開けないケースも発生します。
そのため、しばらくの間は内蔵のHDD/SSDはAPFSフォーマットにしても、外付けHDDなどは従来の「HFS+」のままで使われているという方法がお勧めになりそうです。

弊社ではMacのデータ復旧はもちろんのこと、APFSという新しいフォーマットにあわせた復旧技術、プログラムの開発も引き続き行っています。トラブル発生の際はお気軽にご相談ください。

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