データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

インテルのCPU脆弱性問題

※本記事は2018年3月19日にGoogle+に掲載した記事です

2018年の1月3日にMeltdown(メルトダウン)とSpectre(スペクター)という2つのCPUの脆弱性が報告されました。これらの脆弱性は、本来は保護されていてアクセスが不可能なメモリ領域に、不正なプログラムでアクセスすることが可能になることで発生するセキュリティ上の問題です。通常は、あるプログラムが扱っているデータは、ほかのプログラムからは見られない仕組みになっていますが、その境界を越えてアクセスが可能になり、本来見えないはずの個人情報を抜き取るなどの被害が発生することが想定されます。

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こういったセキュリティ上の脆弱性は、OSやアプリケーションの欠陥(バグ)によって引き起こされることがほとんどですが、今回の脆弱性はCPUというハードウェアの設計上の問題により発生しています。そのため、そのCPU上で動いているOSの種類を問わず被害が発生する危険性があります。

メルトダウンはIntelのCPUの設計上の問題から発生する固有の問題で、主にサーバで使用されるWindowsやLinuxでも影響を受ける可能性があります。
スペクターはすべてのCPUに共通する問題で、PCだけでなくスマホなどのCPUでも影響を受ける可能性があります。
現存するコンピュータのほとんどがどちらか、もしくは両方の影響を受けるため大変大きな問題となっています。

ハードウェアの脆弱性のため、完全に問題を解消させるにはCPUの設計からやり直す必要があります。この脆弱性を突いた攻撃は、読み取るメモリの領域を指定する必要があるため、逆にいえばメモリのどの部分に必要なデータがあるか推測できなければ悪用はできなくなります。そのため、メモリ領域をランダム化するなどのソフト的な対策をとることが可能です。

WindowsやMacのPCや、iPhoneやAndroidなどのスマホで、OSアップデートを通じてセキュリティパッチがすでに配布されていますが、適用した場合、5%-30%ほど処理速度が低下すると言われており、古いCPUほど処理速度が低下するという報告もあります。
また適切ではないパッチを当てたことで、環境によっては起動しなくなったり、再起動を繰り返したりする場合もあり、適切なパッチを適用する必要があります。

もし、アップデートに失敗し起動しなくなった場合のデータ復旧は弊社にご相談ください。
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同じUSB端子でも中身は違う?

※本記事は2018年3月26日にGoogle+に掲載した記事です

ノートPCやディスプレイ、スマートフォンなどの電源ポートやUSBポートとして、USB Type-Cコネクタを採用した機器が増えています。Type-Cコネクタは裏表の区別がなく、ホストとゲストのどちらのデバイスもポート形状は同一なので、方向を気にせず接続できます。Type-Cコネクタが普及すれば、機器にあわせていくつものケーブルを用意する必要がなくなるといわれていました。
ところが、同じようなType-Cのデバイスでも、「USB Type-C」「USB3.1」「Thunderbolt 3 (USB-C)」といった表記がされ、見た目は同じでも違う規格のものが混在しています。


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まず、USB Type-Cは、通信規格ではなくコネクタ、端子の形状のみ規格です。基本的にUSB3.1規格で使用されますが、USB2.0規格のType-C機器やケーブルも存在します。
また、USB Type-Cという名称ですが、「オルタネートモード」機能によりUSB以外の通信規格のデータを流すことが可能です。

例えば、Macでよく使われているThunderboltという接続方法は、今まではディスプレイポートと同じ形状のコネクタが使用されていましたが、Thunderbolt3からはType-C端子も利用可能になりUSBポートと兼用できるようになりました。また、外部ディスプレイに出力するディスプレイポートも今後はType-C端子に統一される予定です。

Type-Cケーブルでやり取りするのはデータや映像だけではなく、電源ケーブルとしても使用可能です。以前のUSBケーブルでも、ある程度の電力供給が可能でしたが、より大容量の電力に対応しています。
最近のMacbookは、電源も含め外部端子をType-C端子1つに統一しています。今後は他のメーカーのノートPCもType-C端子だけのモデルが増えていくでしょう。
電源ケーブルとしてのType-Cにも規格が複数あり、従来のUSBケーブルと同等の「バスパワード」のほか、「USB Power Delivery(USB PD)」という規格も追加されました。バスパワードは、500mA・5V(2.5W)という小型の扇風機を回せる程度の微弱な電力しか供給できませんでしたが、USB PDでは、ハイパワーなノートパソコン本体を動かすことも可能な最大5A・20V(100W)の供給が可能です。USB PD電力供給とディスプレイポートの両方に対応したモニタなら、ノートPCに電力供給をしながら映像信号をノートPCから受け取ることがType-Cケーブル1本だけで可能となります。

Type-C規格に流せるデータが多様なため、対応していないケーブルを利用すると、通信の失敗や電力不足などの問題が発生します。同じケーブルメーカーでも対応出来る通信規格が異なるType-Cケーブルを複数ラインナップしていることもあり、通信規格への適合が不明瞭なケーブルを選ぶと機器の故障といったリスクも存在します。
基本的には、製品に付属するケーブルを使用するのが一番ですが、予備のType-Cのケーブルを購入する際は、対応機器をよく確認して購入してください。

データレスキューセンターでは、コネクタやケーブルの規格を問わずデータ復旧に対応しております。また、朝8時から夜24時まで電話相談可能ですので、いつでもお気軽にお問い合わせいただけます。

■外付けHDDについて
■データ復旧事例 PC/ハードディスク(HDD)

外付HDDの落下にご注意

ポータブルHDDは大容量で持ち運びも便利ですが、落としてしまう心配があります。
机の上からの落下、カバンから取り出す際の落下など日常のふとした瞬間に落下の危険が潜んでいます。気をつけていてもついうっかり落としてしまうことはあると思います。
HDDは精密機器なのでうっかり落としてしまうと、認識しなくなってしまう可能性があります。そんなときに便利なのが耐衝撃機能を搭載したHDDです。

外付ケースの中に衝撃吸収のゴムパーツが付いたものから、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)やPC(ポリカーボネート)など衝撃に強い耐久性にすぐれたケースを採用しているものもあります。中には米軍採用品の選定に用いられる米国MIL規格「MIL-STD-810」準拠を謳っている商品もあります。

MIL規格

また、暗号化機能が搭載されているモデルもあるので、HDDを紛失してしまった場合でも第三者にデータを盗まれる心配はありません。

HDDを落下させて大きな衝撃を与えると、データを読み込むヘッドといわれるパーツが曲がってしまうなどの破損が生じていることがあります。この状態で通電をしてしまうと、記録領域を傷つけてしまう可能性もあります。

ちょっとぶつけただけでも倒れただけでもHDDは認識しなくなることがあります。どれだけ高耐久性の製品でも認識できなくなることもあります。
認識できなくなったHDDはもちろん、落としてヘッドが破損しているものでも復旧できた事例がございます。万が一落としてしまった場合は通電せずに弊社にご相談ください。

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いまさら聞けないパソコン基礎知識 > HDD・USBメモリ・SDカードの障害事例とその対策
復旧率を下げない為の10のルール
データ保護ノススメ
HDDのデータ復旧事例
メディア解説 > ハードディスク(HDD)の障害

SDカードの歴史とフォーマット

※本記事は2018年4月2日にGoogle+に掲載した記事です

デジカメで使用される記録メディアは複数存在しますが、その中でSDカードがもっとも普及しています。
従来の「Multi Media Card(MMC)」というメディアに著作権保護機能を搭載されたもので、Secure Digitalの略としてSDの名称がつけられました。

SDカードは1999年に8MBや16MBのサイズとして登場し、その利便性の高さが受け入れられ、2005年ごろにはメモリカードのトップシェアを取ることになります。その後も市場の要望に応じて大容量化が進み、2006年にはFAT32フォーマットに対応した「SDHC」規格が登場します。また転送速度についても規格が定められ、用途に応じてユーザーが選びやすいように「スピードクラス」という基準が設けられました。

現在はデジタル機器の高性能化にあわせて拡張した「SDXC」規格が最新となっています。exFATフォーマットに対応して規格上の最大容量は2TBとなり、転送速度は最大300MB/秒となっています。
容量については「SDXC」規格が実用化された2009年以降から64GB、128GBと毎年増大を続け、2014年には512GBの製品が発売されています。転送速度も従来の「SDスピードクラス」を上回る「UHSスピードクラス」とさらにそれを上回る「ビデオスピードクラス」が新たに設けられました。
ただし、512GBのSDXCカードの登場以降は大容量化があまり進んでいません。スピードクラスについても機器側の対応が追い付いておらず、UHSスピードクラスやビデオスピードクラス対応機器はあまり多くありません。規格通りの性能を発揮されるようになるには、まだ時間がかかりそうです。

SD/SDHC/SDXCのいずれも物理的な形状は同一で、対応機器側も互換性があります。SDXC対応機器でSD/SDHCカードを扱うことが可能ですが、SDXC規格に対応していない機器にSDXCカードを挿入すると内部のデータ構造が破損する可能性があり、メーカーも使用を推奨していません。2008年以降に発売された機器であれば「SDXC」に対応していることになっていますので、それ以前に発売された古い機器に接続する際は十分ご確認ください。

もしも、対応していない機器に接続して破損させてしまった場合は、exFATでフォーマットをしなおせば再利用は可能ですが、データが失われてしまいます。その際にデータの復旧をご希望される場合はお気軽にご相談ください。

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SDカードリーダーやアダプタの使い方
SDカード/microSDカードの復元事例
SDカードについて
SDカードの構造と動作

マイニングとマルウェア

※本記事は2018年4月9日にGoogle+に掲載した記事です

2017年ごろから、ビットコインなどのブロックチェーン技術を使った仮想通貨が話題になっています。ブロックチェーンは、分散型のネットワークを使ったデータベースシステムで、特定の組織が管理するコンピュータが情報を集中管理している従来のデータベースとは大きく異なる性質があります。

ブロックチェーンにおける仮想通貨は、売買や送金といった取引情報を特定のコンピュータではなく、分散化されたネットワークに参加する各コンピュータが膨大な計算を行うことで維持・管理しています。
管理に貢献した計算量に基づき新規発行される仮想通貨が報酬として支払われるため、ブロックチェーンのための計算をすることを、金鉱山で金を掘るのと同じく「採掘(マイニング)」と呼んでいます。

マイニングには高性能なコンピュータと膨大な電気代が必要となります。仮想通貨がさほど話題になっていなかったころは、コンピュータ代と電気代を超える収益が得られることが多く、採掘者(マイナー)と呼ばれる人たちは、こぞって高性能なコンピュータを買い集めて計算させていました。

しかし、マイナーが増えてマイニングに適したパソコンパーツの価格が高騰し、仮想通貨自体の価格も不安定なことから、計算で得られる仮想通貨の収益と電気代が逆転することも多くなり、ただマイニングするだけでは利益を得られないことも増えています。

そこで、悪質なマイナーは他人のコンピュータに計算をさせて、得られた仮想通貨を自分の口座に入れる方法を考えるようになりました。その結果、マイニングツールを潜ませたマルウェア(悪質なソフト)が出回るようになっています。

マイニング機能のあるマルウェアは、便利なソフトとセットになってひそかにパソコンやスマートフォンにインストールされたり、悪質なウェブサイトに仕込まれて閲覧中にブラウザにブロックチェーンの計算をさせたりします。
そういったソフトはパソコンやスマートフォンの動作を不安定にさせたり、電力を必要以上に消費させてバッテリー残量を減らしたりします。

たとえば、Windowsの画面を動画として保存できるフリーウェア(無料ソフト)にひそかにマイニングソフトを同時にインストールさせていたとして、フリーウェア配布サイトの窓の杜から配信停止させられ、ウイルスバスターからもマルウェアとして検出されるようになったということもありました。

ウイルス対策ソフトがこれらのソフトにも対応していますが、次々と新しいマルウェアが生まれるため対策ソフトだけでは防げないことがあります。OSを最新版にアップデートする、出所不明のソフトをインストールしない、怪しげなサイトにアクセスしないといった対策も必要です。

マルウェアの侵入などで、パソコンが起動しなくなるといったことも考えられます。そういったことでデータ復旧が必要になった際には、データレスキューセンターにご相談ください。

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コンピューターウイルスと対策ソフト
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