データ復旧コラム|データレスキューセンター

データレスキューセンターのスタッフによるデータ復旧コラム。PC、HDD、USBメモリ、SDカードの情報を中心としたお役立ち情報をお届けします。

Ultra HD Blu-rayのデータ復旧

4Kテレビが普及段階に入り、4K映像コンテンツを見るための光ディスクの規格「Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」も発売されています。また、PC内蔵用の再生ドライブも発売され、PCでも再生できる環境が整いつつあります。

このUHD BDは、既存のBlu-rayディスクとは何が違うのでしょうか。一つ目は4Kといわれる解像度3840×2160の映像に対応した点です。Blu-rayやTV放送ではFull HD (1920×1080)の解像度が使用されていましたが、4Kはその4倍の解像度となっています。

二つ目はHDR(High Dynamic Range)といわれる技術に対応したことです。対応したテレビで再生すると、高コントラスト(明るさ)での表示し、今までよりもより人間の目で見たときに近い映像を表現することが可能となります。現在のところ、パソコンではOS側の対応が追い付いておらず、パソコンで再生した場合は従来の明るさでの表示となります。

4K放送も放送が始まり、対応する機器はこれから更に増えていくことが予想されます。
当然再生する環境が必要となりますが、映像をより綺麗に見られるようになっていくようです。

従来のBlu-rayディスクは1層または2層となっていて、データ量は25GBもしくは50GBとなっていますが、4K映像を収めるには容量が足りないため、UHD BDでは3層(100GB)や4層(133GB)のディスクが使用されます。この3-4層のディスクは、BD XLと呼ばれます。
キャプチャ


BD XLはUHD BD専用のディスクというわけではないので、4K映像以外のデータを書き込むことも可能です。たとえば、Blu-rayレコーダでの長時間録画や、パソコン用のBD XLドライブでは、書き込みも可能で大容量のバックアップを取る際に使用できます。ただし、BD XLと従来のBlu-rayドライブには互換性がなく、BD XL非対応のドライブでは再生不可能となるので注意が必要です。

弊社ではBD XL を含めたBlu-ray Discに書き込んだ動画(TV録画を除く)や画像、PCデータの復旧に対応しておりますので、読み込めないディスクがあれば一度ご相談ください。

CD/DVD/BD(Blu-ray ブルーレイ)のデータ復旧事例

経年劣化でCDやDVDが読めなくなる

データを保存していたDVDを見ようとした時に以前保存していたデータが読み込めなくなったという経験はありませんか?
CD-RやDVD-R、BD-R(Blu-ray)などの記録可能な光学メディアはディスクにレーザーを当てデータを記録します。ディスクの記録層とよばれる部分にレーザーが当たり、色素が変化を起こすことで情報が記録されます。
DVD-Rの記録層には、炭素を含む有機系の色素が使用されており、光や熱などに弱く保存環境によっては何もしていなくても劣化してしまいます。そのため、ディスクに傷も付いてないのに読み込めなくなるということが起きます。
BD-Rの記録層には主に無機系の色素が使用されており、DVD-Rと比べると経年劣化には強くなっています。

CK20160626273814_TP_V[1]


DVD-Rより経年劣化に強いBD-Rですが、注意が必要な部分もあります。
記録層の上に保護層がありますが、BD-RではDVD-Rより保護層が薄く作られています。そのため、ディスク表面の少しの傷や汚れでもデータが読み込めなくなります。

「指紋が付いただけで読み込めなくなった」、「不織布ケースに入れていたら傷が付いた」ということをよく聞きますが、これは保護層が薄いために起こります。指紋だと6個程度でも読み込めなくなると言われています。また、通常のディスクケースであれば内周部分の爪で固定されるので、ディスクが宙に浮いた状態になりますが、不織布でできた簡易ケースだと、ディスクの表面に常に異物が接触していることになり、ダメージを与えてしまいます。
ただ、Blu-rayディスクはその保護層の薄さをカバーするために、ハードコーティングが施されているので、汚れや傷がつきにくくなっていて、指紋もすぐに拭き取れます。

また、光学メディアは、湿度や温度の変化でもダメージを与えてしまいます。なるべく低湿度、低温度の安定した場所で保管しましょう。

取り扱いや保存方法を間違わなければ何十年ともつと言われている光学メディアですが、気を付けていても突然に認識しなくなることはあります、もちろん傷や汚れ、経年劣化で読み取れなくなった光学メディアのデータ復旧にも対応しておりますので、万が一の場合は弊社にご相談ください。

データ保護のススメ
CD/DVD/BD(Blu-ray ブルーレイ)のデータ復旧事例

"OS"ってなに?どういうことをしているの?

現在使われているパソコンやスマートフォン、タブレット端末には、全てOS(オペレーティングシステム)が入っています。OSは、コンピューターのパーツの制御や、データの入出力の制御を行っています。
現在のコンピューターはOSがないと使うことができませんが、初期のコンピューターにはOSが存在せず、ユーザーが各周辺機器を自力で制御してプログラムを実行していました。

初期のOSは基本的な機能しか備わっておらず、実用的なツールやソフトは追加のアプリケーションという形で提供されていました。パソコンが高機能になるにしたがって、OSの役割は広まり、様々なソフトが標準でOSについてくるようになっています。
たとえば、以前のWindowsにはウイルス対策ソフトが付属していませんでしたが、現在は対策ソフトであるWindows Defenderが標準でインストールされるようになっています。
また、AndroidやiOSには、電話、ブラウザ、カメラ等の機能がOSと一緒にインストールされます。


ph_media06

現在、一般的に使われているOSには、以下のようなものがあります。これはごく一部で、ほかにもたくさんのOSがあります。
・Windows:Microsoft社製。パソコンやサーバーで使用。
・macOS(またはOS X):Apple社製。Apple社が販売するパソコンで利用
・Linux:オープンソースのOS。サーバーやパソコン、組み込みシステムなどで利用
・Android:Google社製。スマートフォン、タブレット等で利用
・iOS:Apple社製。iPhone、iPad等で利用

異なるOS同士でのデータのやり取りで困るのは、ファイルシステムです。それぞれのOSで使えるファイルシステムが異なり、HDDやUSBメモリに書き込んだデータが開けない場合があります。
データが読めないだけではなく、認識できないファイルシステムのディスクを未フォーマットのディスクと誤認識して、フォーマットしてしまう場合もあります。

具体的にOSはどういった働きをしているのでしょうか。

パソコンなどのコンピュータは、ある程度の規格が決まっているものの製品ごとに構成が異なります。さらに、そのコンピュータに接続する周辺機器や、コンピュータ上で動くソフトも数え切れないほど存在します。そこで出てくる問題が「互換性」です。
OSは、多種多様なハードウェアを制御する役割を持っており、利用者が制御しているハードウェアの違いを意識しなくて済むようにしています。

たとえば、キヤノンのプリンタであっても、エプソンのプリンタであってもOSを経由することで「印刷する」という機能だけ抽出して扱えるようになり、どのソフトからでも機種の違いを意識せずに印刷できるようになります。実際のプリンタはインクヘッドを動かしたり、適量のインクを噴出したり、紙を動かしたりと複雑な動きをする機械ですが、OSによって「印刷する」という簡単な概念に置き換えられます。これを「抽象化」と呼びます。

同じように、ハードディスクであってもSSDであっても、USBメモリであってもOSのおかげで「データを記録する」という機能だけを利用できるので、ハードディスクとSSDでデータを保存するときの操作方法が変わることはありません。ユーザーはどんな記録装置がついているか、どんなファイルシステムを使っているか、まったく知らなくてもコンピュータを扱えます。
OSを経由することで、使っているハードウェアが何なのか意識せずに済むので「ハードウェアの隠ぺい」とも呼ばれます。

このハードウェアの「抽象化」と「隠ぺい」がOSの基本的な概念です。
OSによってハードウェアは扱いやすくなりますが、データ復旧の現場では実際のハードウェアにどのようにデータが記録しているのか把握する必要があるため、逆に「抽象化」と「隠ぺい」によって作業が困難になってしまうこともあります。データが消失した記録装置のファイルシステムが何だったのか、どのようにデータを記録していたか、元の状況をOSに頼らずに推理していくような作業が必要になる場合もあります。

データレスキューセンターでは様々な媒体、障害事例に対応をしています。
データの破損や消失でお困りの際はお気軽にお問合せください。

次世代ファイルシステムの解説記事を追加

データレスキューセンターのホームページに次世代ファイルシステムの解説記事を追加を追加しました。
vol46_img01

https://www.rescue-center.jp/elementary/vol46.html

USBメモリの3つの落とし穴

手軽にデータを持ち歩きできるUSBメモリは、登場当初32MB~128MB程度の容量でしたが、今では128GBを超えるものも珍しくなくなりました。
写真や動画を気軽に扱えるようになり、個人が扱うデータの大容量化が進んだ背景もあり、大量のデータをUSBメモリで手軽に持ち運びできるようになりましたが、USBメモリには思わぬ落とし穴があります。

まず1つ目は、折れやすいという点です。
最近では非常に小さいUSBメモリもありますが、一般的にはコネクタ部分より本体が長く、PCから大きく飛び出した形で接続することになります。USBメモリのお尻の部分に力が加わると、てこの原理で差込口の部分では何倍もの大きさになってしまいます。そのため差し込んだままの状態でUSBメモリに何かがぶつかると、USBメモリの差込口が簡単にこわれることになります。
このようなケースでも、USBメモリ内の記録チップが破損していなければ復旧できる可能性は十分にあります。予防策としては小さなUSBメモリを使用するか、短めのUSB延長ケーブルを経由してPCに接続するとよいでしょう。


61Y06RDHUyL._SL1500_

2つ目は、USBメモリ自体がデータの長期保存に向いていないという点です。
USBメモリやSDカードで使用されているフラッシュメモリは、長期間データを保存したままにするとデータ保存に使用する電子が抜けてデータが失われてしまう特性があります。
大容量化に伴い、USBメモリを思い出の写真の長期保存や、長期的なデータバックアップ先として使用している方もいらっしゃいますが、そういったUSBメモリの使い方は本来の想定外となります。
対策してはUSBメモリより衝撃や振動には弱いものの、データの長期的保存に向いているHDDを併用し、バックアップはHDDに保存しておくことがお勧めとなります。

3つ目の落とし穴は、小型で紛失しやすいという点です。
USBメモリ自体の破損や障害発生によるデータの紛失については復旧することができますが、USBメモリそのものを紛失した場合は、USBメモリ以外のメディアにデータを保存しておかない限り、データを取り戻すことができません。

昨今は記憶媒体自体やデータの大容量化に伴い、障害発生時のダメージも比例して大きくなってきています。USBメモリは便利なものですが、使い方を誤ると大量のデータを一度に失うことになりかねません。事前に対策を取るのが一番ですが、万が一USBメモリのデータを失ってしまった場合はお気軽にお問い合わせください。

・データ復旧事例(USBメモリ)
・HDD・USBメモリ・SDカードの障害事例とその対策
・データバックアップ入門
・データ保護ノススメ > SDカード・USBメモリ編